あさかぜ型護衛艦 装備

あさかぜ型護衛艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 00:19 UTC 版)

装備

貸与された艦は、いずれも戦争末期には掃海駆逐艦(DMS)に改造されていたが、貸与前に駆逐艦として復元された。ただしこの際、魚雷発射管は省かれた[1]

センサー

レーダーとしては、貸与された時点では、対空捜索用としてはSC、対水上捜索用としてはSGと、いずれも大戦中以来の装備が搭載されていた。その後、1959年から1960年にかけて換装され、対空捜索用にはAN/SPS-6C、対水上捜索用にはOPS-3を装備した[2][1]

ソナーとしては、戦後に実用化された新しいスキャニング・ソナーであるAN/SQS-10を備えていた[1]。前部艦底には専用の固定式ソナードームが設置されていたが、このため前進投錨が難しく、後進投錨が用いられていた[2]

武器システム

艦砲としては、38口径12.7cm単装砲(Mk.30 5インチ砲)4基を備えた。この砲は非常にサブバージョンが多く、「あさかぜ」の場合は、51・54番砲はMk.30 mod.21、52番砲は同mod.23、53番砲はmod.47であった。その後、上記の改善工事の際に52番砲を撤去したが、認識番号が振り直されることはなく、52番砲は欠番として扱われた[9]。本型は海自初の5インチ砲搭載艦であり、有力な水上打撃戦力であった[1]

対空兵器としては、56口径40mm4連装機銃Mk.270口径20mm連装機銃Mk.24を2基ずつ備えていたが、貸与の時点で既に有力とはいえないものであった[1]

射撃指揮装置としては、主方位盤としてMk.37(Mk.28レーダー装備)、副方位盤としてMk.51を備えていた[9]

対潜兵器としては、対潜迫撃砲はもたずに爆雷主体であり、こちらも貸与の時点で既に有力とはいえないものであった[1]


注釈

  1. ^ a b 警備隊時代の甲型警備船(DD)は、海上自衛隊への改編に伴って甲型警備艦(DD)と改称され、昭和35年度の艦種分類改訂以降は護衛艦(DD)と称されるようになった[3]
  2. ^ 国産護衛艦に限れば、「あまつかぜ」の33ノットが最速である。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 阿部 2000, pp. 34–35.
  2. ^ a b c d e f g 海人社 2012.
  3. ^ a b c 阿部 2000, pp. 167–173.
  4. ^ 香田 2015, pp. 12–23.
  5. ^ 香田 2015, pp. 24–35.
  6. ^ a b c 吉原 2000.
  7. ^ a b 小林 2000.
  8. ^ 阿部 1995.
  9. ^ a b 高須 2000.
  10. ^ 中名生 2004.






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