WRN
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/10 02:26 UTC 版)
WRN(Werner syndrome ATP-dependent helicase)は、ヒトではWRN遺伝子にコードされる酵素である。RECQ3(DNA helicase, RecQ-like type 3)としても知られ、RecQヘリカーゼファミリーの一員である[5]。一般的に、ヘリカーゼは二本鎖DNAを巻き戻して分離する。こうした活性は、細胞分裂に備えてDNAをコピーする際(DNA複製)に必要である。転写と呼ばれる、タンパク質産生のための鋳型形成の際にもヘリカーゼは重要である。WRNタンパク質はDNA修復にも重要な役割を果たしていることが示唆されている。このタンパク質はDNAの構造と完全性の維持を助けている。
構造と機能
WRNはRecQヘリカーゼファミリーの一員である。また、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を持つ唯一のRecQヘリカーゼである。エキソヌクレアーゼ活性によって、3'陥凹末端の分解や二本鎖DNA中のギャップからのDNA分解の開始などが行われる。WRNは相同組換え[6][7]や非相同末端結合[8]による二本鎖切断修復、塩基除去修復による一塩基損傷の修復[5][9][10]に重要であり、複製停止からの回復に効果的である[11]。WRNはテロメアの維持と複製、特にGリッチ配列の複製に重要である可能性がある[12]。
WRNはオリゴマーであり、DNAの巻き戻し時には単量体として作用する一方で、溶液中では二量体、DNAとの複合体形成時には四量体を形成し、また六量体を形成することも観察されている。WRNの拡散速度は核質では1.62
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