ヴォカリーズ (ラフマニノフ)とは? わかりやすく解説

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ヴォカリーズ (ラフマニノフ)

(vocalise (rachmaninoff) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/13 01:59 UTC 版)

セルゲイ・ラフマニノフの『ヴォカリーズ』(ロシア語: Вокализフランス語: Vocalise)作品34-14は、1915年に作曲・出版されたピアノ伴奏付きの歌曲。 歌詞のないヴォカリーズで歌われる旋律と、淡々と和音と対旋律とを奏でていくピアノの伴奏が印象的である。ロシア語の制約を受けないためもあって、ラフマニノフの数多ある歌曲の中でも、最もよく知られた曲となっている[注 1]。 また、作曲者自身による管弦楽版をはじめとしてさまざまな楽器のために編曲され広く演奏されており、調性についても原曲の嬰ハ短調のほか、ホ短調イ短調のものなどがある[注 2]


注釈

  1. ^ ラフマニノフの全作品の中でも『ピアノ協奏曲第2番』と並んで有名である[1]
  2. ^ 1947年ブージー・アンド・ホークス社から出版された単独のピアノ伴奏歌曲の楽譜は、原調から長3度下げたイ短調で書かれており、これは声域的に厳しいメゾ・ソプラノバリトン歌手への配慮と考えられる[1]
  3. ^ または『13のロマンス』。
  4. ^ 当時シャギニャンは23歳[3] 。文通は、シャギニャンが本名を伏せ「レ」(音名のRe)という名義で出したファンレターから始まった[1]
  5. ^ ラフマニノフはシャギニャンに「幸せなものよりは、悲しい詩」を紹介してくれるように依頼した[1]。これに応え、シャギニャンは『現代ロシア詩人名詩選集』を郵送したが、ラフマニノフは気に入らず、むしろ選集に添えてあった手書きノートにあったプーシキンの叙事詩『詩神』『アリオン』『嵐』やポロンスキーの『音楽』などを気に入った[4]
  6. ^ なお、第7曲については1910年3月に書かれていたものを、1912年6月に改訂したものである[5]
  7. ^ コミサルジェフスカヤの死に衝撃を受けたラフマニノフは1911年2月に行われた追悼コンサートで、2台のピアノのための『組曲第2番』作品17をアレクサンドル・ジロティと演奏している>[5]
  8. ^ 英語版では「聖なる旗を腕に掲げて」というタイトルに変わる[6]
  9. ^ 最古の草稿は、モスクワのネジダーノヴァ古文書館に収蔵されている[7]。井上和男による『名曲解説全集』では、1912年4月に作曲され1915年9月21日に改訂されたとある[8]
  10. ^ 濱田滋郎の解説では「1月25日」となっている[1]

出典

  1. ^ a b c d e 濱田滋郎(解説)『ヴォカリーズ』日本楽譜出版社、ISBN 978-4-86060-297-0、解説文
  2. ^ a b マックス・ハリソン 森松皓子訳『ラフマニノフ-生涯、作品、録音』音楽之友社、2016年5月31日、ISBN 978-4-276-22622-7、170頁
  3. ^ a b 森田稔(『14の歌曲集』項目執筆)『最新名曲解説全集-第24巻-声楽曲IV』音楽之友社、1981年6月1日、ISBN 4-276-01024-1、25頁
  4. ^ ニコライ・ダニロヴィチ・バジャーノフ 小林久枝訳『ラフマニノフ-限りなき愛と情熱の生涯』音楽之友社、1975年6月10日、295頁
  5. ^ a b ハリソン、前掲書172頁
  6. ^ ハリソン、前掲書(作品表)23頁
  7. ^ a b c d e f ハリソン、前掲書174頁
  8. ^ 井上和男(『ヴォカリーズ』項目執筆)『最新名曲解説全集-第24巻-声楽曲IV』音楽之友社、1981年6月1日、ISBN 4-276-01024-1、26頁
  9. ^ 木下淳(ラフマニノフの項執筆)『クラシックCD異稿・編曲のよろこび』青弓社、2007年9月25日、ISBN 978-4-7872-7234-8、170頁


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