third reichとは? わかりやすく解説

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第三帝国

(third reich から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 17:17 UTC 版)

第三帝国(だいさんていこく、: (the) Third Empire[1], Third Reich, Third Realm[2], Third Kingdom[3]: Drittes Reich)は、古くからキリスト教神学で「来るべき理想の国家」を意味する概念として用いられた。第三の国千年帝国: Thousand-Year Reich[4], millenarianism[5], : Tausendjähriges Reich[6])とも。国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)、(ナチス)による呼称が有名。


注釈

  1. ^ 無論、この概念を利用したのはナチ党だけではなかった。例えば、オーバーラント義勇軍(de)を改組して結成された「ブント・オーバーラント」は『第三帝国』という名の機関誌を発行していた。実際、第三帝国の理念は、青年保守派系の多くのグループや団体のイデオロギー的財産であった。その限りにおいてナチ党がこの言葉を剽窃したのだとは言えないし、ナチ党が他のナショナリストな集団に比べてメラーの概念から遙かにかけ離れていたことも確かである。他方、メラーの第三帝国の理念は全く曖昧で、幾多の内容を包み込む可能性を常にもっていたから、この理念は特定のプログラムのための標語とはなりえなかった
  2. ^ 「私は党の政治思想史において、意義の大きいこの書物の普及を歓迎する」(ハンブルクのハンザ出版社から1933年以後に発行されたパンフレットの中のヨーゼフ・ゲッベルスの言葉)
  3. ^ これは保守革命の書物の中で、いうまでもなく最大の影響力をもった書物であった。「ナショナリズムの運動は、今日、もはやメラー・ファン・デン・ブルックの書物から切り離すことはできない[16]
  4. ^ ライヒは神聖ローマ帝国帝政ドイツヴァイマル共和政時代でも用いられた。ドイツは歴史的に小さな領邦 (Staat) が分立して神聖ローマ帝国皇帝の緩やかな支配を受けている時代が長く続き、ドイツ統一後も各領邦にはそれぞれの君主と政府、軍隊が存続し、強い権力を持っていた。ヴァイマル共和国期になっても、その領邦はLand ()と呼ばれ、高度な自治権力を行使していた。現在でも州には強い権力が残り、バイエルン州ザクセン州テューリンゲン州は「Freistaat」と言う形で領邦の名を残している。第二次世界大戦後に成立した西ドイツは「全国」を意味する語としては「Reich」ではなく「Bund」(連邦)の語を用いて「Bundesrepublik Deutschland」(ドイツ連邦共和国)を名乗った。また東ドイツは「Deutsche Demokratische Republik」(ドイツ民主共和国)を名乗り、州制度ではなく県制度を敷いていた。英語の場合は "The Third Reich"と「ライヒ」をそのまま使用している。日本語では「第三帝国」の語が当時から用いられている[18]

出典

  1. ^ Google Scholar「"third empire" Nazi」
  2. ^ Google Scholar「"third realm" Nazi」
  3. ^ Google Scholar「"third kingdom" Nazi」
  4. ^ Google Scholar「"Thousand-Year Reich" Nazi」
  5. ^ "Thousand-Year Reich" "millenarianism " Nazi
  6. ^ Google Scholar「"Tausendjähriges Reich" Nazi」
  7. ^ a b c d e f g h 小岸 2000,p51-59.
  8. ^ 小岸 2000,p.81-93.
  9. ^ クラウス=エッケハルト・ベルシュドイツ語版: Die politische Religion des Nationalsozialismus. München 1998, S. 50.
  10. ^ Matthias Sträßner: Flöte und Pistole. Anmerkungen zum Verhältnis von Nietzsche und Ibsen. Würzburg 2003, S. 76, ISBN 3-8260-2539-3 (Quelle: Ernst Bloch: Zur Originalgeschichte des Dritten Reichs. In: ders.: Erbschaft dieser Zeit. Gesamtausgabe Bd. 4, Frankfurt a.M. 1977, S. 126–160) (Google Books).
  11. ^ 小岸 2000,p.61.
  12. ^ 多田眞鋤 2003, pp. 85.
  13. ^ 多田眞鋤 2003, pp. 83–85.
  14. ^ 山崎充彦 1998, p. 56.
  15. ^ Moeller: Das dritte Reich, op. S. 13.
  16. ^ Hans Schwarz, in seinem Nachwort zur Volksausgabe vom 》Dritten Reich《, Hamburg 1931, 4. Aufl. S. 246.
  17. ^ 「第三帝国」世界大百科事典 第2版
  18. ^ 写真週報 34号」 アジア歴史資料センター Ref.A06031062900 
  19. ^ 南利明 1988, pp. 218.
  20. ^ Reinhard Bollmus: Das Amt Rosenberg und seine Gegner. Studien zum Machtkampf im nationalsozialistischen Herrschaftssystem. Stuttgart 1970, S. 236.
  21. ^ ヒトラーのテーブル・トーク 上 1994, pp. 223.
  22. ^ 杉哲 2011, pp. 73.


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