はるのこうきょうきょく〔はるのカウキヤウキヨク〕【春の交響曲】
春の交響曲
(Spring Symphony から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/04 04:19 UTC 版)
春の交響曲(はるのこうきょうきょく、Spring Symphony)作品44は、ベンジャミン・ブリテンが1949年に作曲した、3人の独唱者(ソプラノ、アルト、テノール)、混声合唱と少年合唱、管弦楽のための交響曲である。表現の主体は声楽にあり、形式的にはオラトリオあるいは連作歌曲ともいえる。指揮者セルゲイ・クーセヴィツキーとボストン交響楽団に献呈されている。
全曲は12の楽曲からなるが、古典的な交響曲の楽章に相当する4つの部分に分かれていて、13世紀の作から20世紀のW・H・オーデンのものまで14篇のイギリスの詩が用いられている。
演奏時間は約45分。
楽器編成
- ソプラノ、アルト、テノール独唱、混声合唱、少年合唱
- フルート3(第3奏者はアルト・フルートおよびピッコロ持ち替え)、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2、バス・クラリネット、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット3、トロンボーン2、バス・トロンボーン、チューバ、角笛、小太鼓、中太鼓、大太鼓、ティンパニ、タンブリン、シンバル、ゴング、ベル(C、B♭、A)、ブロック、カスタネット、シロフォン、ヴィブラフォン、ハープ2、弦五部
楽曲構成
- 第1部
- 第1曲 序奏「輝きいでよ」(Shine out ) - 16世紀の作者不詳の詩による。
- 第2曲 「陽気なカッコウ」(The merry cuckoo ) - エドマンド・スペンサーの詩による。
- 第3曲 「春よ、やさしい春よ」(Spring ) - トマス・ナッシュ(Thomas Nashe)の詩による。
- 第4曲 「馬車に乗る少年」(The driving boy ) - ジョージ・ピール(George Peele)、ジョン・クレア(John Clare)の詩による。
- 第5曲 「朝の星」(The morning Star ) - ジョン・ミルトンの詩による。
- 第2部
- 第6曲 「来たれ、誉れの娘たち」(Welcome maids of Honours ) - ロバート・ヘリック(Robert Herrick)の詩による。
- 第7曲 「天の水よ」(Waters above ) - ヘンリー・ヴォーン(Henry Vaughan)の詩による。
- 第8曲 「芝生に寝ていると」(Out on the lawn I lie in Bed ) - W・H・オーデンの詩による。
- 第3部
- 第9曲 「わが五月はいつ来るのか」(When will my May come ) - リチャード・バーンフィールド(Richard Barnfield)の詩による。
- 第10曲 「美しい、美しい」(Fair and fair ) - ジョージ・ピールの詩による。
- 第11曲 「笛を吹け」(Sound the Flute! ) - ウィリアム・ブレイクの『無垢と経験の歌』より「無垢の歌」の『春』による。
- 第4部
- 第12曲 フィナーレ - フランシス・ボーモント(Francis Beaumont)の戯曲『ぴかぴかすりこぎ団の騎士』の一節による。最後は「夏は来りぬ」として知られる13世紀のカノンで締めくくられる。
参考文献
- 最新名曲解説全集3 交響曲III(音楽之友社)
「Spring Symphony」の例文・使い方・用例・文例
- Spring Symphonyのページへのリンク