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曾良旅日記

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/22 12:51 UTC 版)

曾良旅日記』(そらたびにっき)は、河合曾良による1689年(元禄2年)及び1691年(元禄4年)の日記を中心とする自筆覚書[1]。その存在は古くから一部には知られていたが、芭蕉研究においては、山本安三郎[† 1]が再発見して1943年(昭和18年)に出版し全貌が明らかになるまで、疑いの目で見られていた[2]。出版以来『おくのほそ道』研究に一時期を画し、『おくのほそ道』本文における虚構、発句の初案、推敲の過程など、芭蕉の制作意識を考察する上で不可欠な資料となった[3]。奥州行脚の史実を正確に伝え、芭蕉の俳文を解明する根本資料として重要であるとして、1978年6月15日に重要文化財に指定された[4]


人物

  1. ^ 山本安三郎(-1947):俳号は六丁子、俳句団体「笹鳴会」を主宰する俳人であり、在野の芭蕉研究家・蒐集家として知られた医師。能村登四郎の伯父
  2. ^ 河西周徳(1695年 - 1753年):上諏訪の俳人。露沾の門人水間沾徳に師事した
  3. ^ 久保島権平、または久左ヱ門(1763年 - 1851年):信州上諏訪の高島藩士で井上士朗に学んだ俳人。曾良百回忌を記念して『続雪まろげ』を刊行した藤森素檗(藤森由永)の三回忌に『素檗句集』[1]を刊行した
  4. ^ 遠藤定矩(1758年 - 1836年):陸奥仙台藩士で丈芝坊白居に学ぶ。素檗が1808年(文化5年)松島に曾良句碑「松島や鶴に身をかれほととぎす」を建立した際に協力した
  5. ^ 田辺百堂:大阪堂島の米穀商で吉分大魯門下の俳人
  6. ^ 本間徳左衛門(1824年 - 1873年):白河会津村松藩の御用達を務めた資産家で中蒲原郡下新村の庄屋。遠藤蒼山に師事して古木庵契史(桂花亭)と号した
  7. ^ 石井雨考(1749年 - 1827年):陸奥須賀川の俳人。江戸中期から後期に二階堂桃祖に学ぶ
  8. ^ 天堂一叟:飛鳥園四世再生坊天堂。『七部十寸鏡冬日解』などを著した
  9. ^ 桑原深造:実業家、日本土木会社理事。兼松房治郎による大阪日報買収に協力した
  10. ^ 斎藤幾太(1859年 - 1938年):実業家、久原房之助の兄。教育施設「打出夜学校」の開講で知られる
  11. ^ 佐藤清一:俳号は十雨、坂口安吾の小説『肝臓先生』のモデルとして知られた医師

註釈

  1. ^ 里村昌琢編。21代集の名所和歌を国別に分類
  2. ^ 石川清民編、1671年(寛文11年)刊。『万葉集』の名所和歌を分類
  3. ^ 幕府の家士で江戸の俳人、結城平蔵が助宣の号を持つが、杉浦は松平志摩守の別号かもしれないと示唆している
  4. ^ 江戸中期の芭蕉研究家である蓑笠庵梨一の著。刊行された『おくのほそ道』研究の書としては最初のものとされる

出典

  1. ^ a b c d e f g h 宮本三郎 1986, p. 1125.
  2. ^ a b c 志田義秀 1943, pp. 3–11.
  3. ^ a b 松尾靖秋 1977, p. 208.
  4. ^ 国指定文化財等データベース 1978, 奥の細道曽良随行日記〈自筆本/〉.
  5. ^ a b c d e f g 杉浦正一郎 1958, pp. 185–206.
  6. ^ a b c d e 杉浦正一郎 1957, pp. 426–427.
  7. ^ 岡田喜秋 1991, p. 107.
  8. ^ ドナルド・キーン 2011, pp. 494–496.
  9. ^ 富山市科学博物館 2007, 曾良随行日記の時刻.
  10. ^ 岡田喜秋 1991, pp. 35–38.
  11. ^ 上野洋三 1986, p. 255.
  12. ^ a b c d e 上野洋三 1995, pp. 515–516.
  13. ^ 杉浦正一郎 1958, pp. 112–185.
  14. ^ [2]
  15. ^ 村松友次 1988, pp. 6–10.
  16. ^ [3]
  17. ^ 久富哲雄 1980, pp. 350–351.
  18. ^ a b 村松友次 1988, pp. 324–326.
  19. ^ 村松友次 1977, pp. 433–435.
  20. ^ 中里重吉 1967, pp. 104–105.
  21. ^ [4]
  22. ^ a b c 山本安三郎 1943, pp. 12–15.
  23. ^ a b c 杉浦正一郎 1951, pp. 57–61.
  24. ^ a b 村松友次 1988, pp. 88–92.
  25. ^ a b 村松友次 1988, pp. 52–57.
  26. ^ a b 櫻井武次郎 1997, pp. 217–223.
  27. ^ 樋口功 1923, pp. 130–151.
  28. ^ a b 栗山理一 1977, pp. 69–70.
  29. ^ 志田義秀 1946, pp. 1–15.
  30. ^ 白石悌三 1969, pp. 132–140.
  31. ^ 金森敦子 2013, pp. 367–369.
  32. ^ 金森敦子 2013, pp. 1–5.
  33. ^ 金森敦子 2013, pp. 178–180.


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