自己検証理論とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 自己検証理論の意味・解説 

自己検証理論

(Self-verifying theories から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 08:17 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

自己検証理論 (英語: Self-verifying theories) は、無矛盾で、ペアノ算術よりはるかに弱く、自身の無矛盾性を証明できる算術一階の体系である。ダン・ウィラードが初めてこの特性を調べ始め、そのような体系の一族を記述した。ゲーデルの不完全性定理によるとこれらの体系はペアノ算術の理論を含むことができないが、それにもかかわらず強い理論を含むことができる。たとえばペアノ算術の無矛盾性を証明できる自己検証体系が存在する。

概略を示すと、ウィラードによる体系の構成の鍵は、ゲーデルの機構が体系内の証明可能性について議論できる程度の形式化を行うが、対角線論法を形式化できるようにしないことであった。対角線論法は乗法が (そして以前の版の成果では加法も) 全域関数であることを証明可能であることに依存している。加法と乗法はウィラードの言語においては関数記号ではない。代わりに、減法と除法が関数記号であり、これらから加法と乗法の述語を定義する。このとき、乗法の全域性を表現する以下のは証明できない:

ここで を意味する三項述語である。 演算がこの方法で表現されるとき、与えられた文の証明可能性は解析的タブロー (en) を記述する算術の文としてコード化可能である。それから、無矛盾性の証明可能性は単に公理として追加可能である。結果として得られる体系は、通常の算術についての相対的無矛盾性の議論によって無矛盾性を証明できる。

この理論にはいかなる真のを追加しても、なお無矛盾であるようにできる。

出典

  • Solovay, R., 1989. "Injecting Inconsistencies into Models of PA". Annals of Pure and Applied Logic 44(1-2): 101—132.
  • Willard, D., 2001. "Self Verifying Axiom Systems, the Incompleteness Theorem and the Tangibility Reflection Principle". Journal of Symbolic Logic 66:536—596.
  • Willard, D., 2002. "How to Extend the Semantic Tableaux and Cut-Free Versions of the Second Incompleteness Theorem to Robinson's Arithmetic Q" . Journal of Symbolic Logic 67:465—496.

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「自己検証理論」の関連用語

自己検証理論のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



自己検証理論のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの自己検証理論 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS