トリノ=ミラノ時祷書とは? わかりやすく解説

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トリノ=ミラノ時祷書

(Ore di Torino から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/06 19:45 UTC 版)

トリノ=ミラノ時祷書』(トリノ=ミラノじとうしょ、: Turijn-Milaan-Getijdenboek: Ore di Torino)は、15世紀に制作が開始されたが、後に分割されて最終的には未完成に終わった装飾写本の分冊。厳密な定義からすると時祷書とは必ずしもいえないが、その並外れて高い品質と美術史上の重要性、さらに交錯した制作過程と後年にたどった歴史によって有名な作品である。この時祷書には、1420年ごろにヤン・ファン・エイクとその兄フーベルト・ファン・エイクが描いた、あるいはこの二人と関係がある芸術家によるものと思われる挿絵(ミニアチュール)が含まれている。さらにその後10年以上経ってから、バーテルミー・デック[2]も数点のミニアチュールを追加したと考えられている。数箇所の場所に分割して所蔵されていたが、そのうちトリノで保管されていたものが1904年に火事にあって焼失してしまい、現在では白黒写真しか残っていないものがある[3]




  1. ^ Enlarged details, and commentary in French
  2. ^ ファン・エイク兄弟の親族ともいわれている。
  3. ^ Walther & Wolf, p.238
  4. ^ Châtelet, p.194
  5. ^ 「ナルボンヌ祭壇画の画家」あるいはその工房によるミニアチュール。
  6. ^ ジャン1世が分割したという説もあるが (Walther & Wolf, p.239)、デゼスタンが分割したという説が多い (Harthan (p.56) and Châtelet (p.194))。
  7. ^ よく似た名称の『いとも美しき聖母時祷書』と呼ばれる、同じくベリー公が制作させた時祷書がブリュッセルに所蔵されている。こちらの時祷書のミニアチュールは、主にジャクマール・ド・エダン (en:Jacquemart de Hesdin) に手によるものである。
  8. ^ BnF 67 miniatures online – note Ms number & start at "Cote"
  9. ^ Walther & Wolf, p.234
  10. ^ ヨハン3世は、ブルゴーニュ公フィリップ3世に仕える以前のヤン・ファン・エイク宮廷画家としていた。
  11. ^ Châtelet, p.27 ff. ホラント伯ヴィッテルスバッハ家はフランスとブルゴーニュのヴァロワ家と関係が深い一族だった。ブルゴーニュのヴァロワ家は、ヴィッテルスバッハ家の所領だったネーデルラントの諸伯領を相続している。ロビネ・デゼスタンが手放した装飾写本を最初に入手したのはヨハン3世の長兄バイエルン公ヴィルヘルム2世といわれている (Kren, p. 83)。しかしながらこの説に反対を唱える学者も存在する (Châtelet p.28、Harthan, p.56)。
  12. ^ Bernhard Ridderbos in Early Netherlandish Paintings, 240, Bernhard Ridderbos, Henk Th. van Veen, Anne van Buren, Amsterdam University Press, 2004 ISBN 90-5356-614-7
  13. ^ Hulin de Loo biography
  14. ^ Finns Books
  15. ^ トリノが購入したとも、あるいはトリノに寄贈されたとも言われる。
  16. ^ ルーヴル美術館 Archived 2011年5月21日, at the Wayback Machine.
  17. ^ Getty Museum Also No.1 in Kren & McKendrick. On the price, see this somewhat garbled report (last sentence, in French)
  18. ^ Châtelet, pp.198 - 199 and plate p.29
  19. ^ Kren & McKendrick, 85 & n.9 on 87
  20. ^ Quoted Kren & McKendrick, p.83
  21. ^ Ridderbos, op. & page cit.
  22. ^ Friedlaender, pp. 8 - 11. フリートレンダーがこの説の提唱者だとも言われている。
  23. ^ Kren, p.83
  24. ^ Kren in Kren & McKendrick, p.84
  25. ^ Kren, 83, see also Châtelet, pp. 28 - 39, pp. 194 - 196, who analyzes the Hand G (and H) miniatures at length.
  26. ^ Châtelet p.200
  27. ^ Kren, p84, note 1. Châtelet, pp.34 - 35 and pp.194 - 196. シャトレは、ルーヴル美術館が所蔵している「キリストとマリアの仲介」も「画家 G」の作品だとしている(Châtelet, p.195)。
  28. ^ Châtelet, pp.194 - 195
  29. ^ Châtelet, pp.28 - 32, pp.194 - 195
  30. ^ バーテルミー・デックまたはジャン・コロンブという説もある。
  31. ^ Châtelet, p.32
  32. ^ Friedländer, p.10
  33. ^ Clark, pp.31 - 32
  34. ^ Russell, pp.4 - 5
  35. ^ Kren, p.83
  36. ^ Turin-Milan Hours facsimile
  37. ^ Facsimile of the "Très Belles Heures de Notre Dame"
  38. ^ Louvre leaves facsimile
  39. ^ JSTOR Art Bulletin review by James Marrow


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