1984年 (小説)
(Nineteen Eighty-Four から転送)
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『1984年』(1984ねん、原題: Nineteen Eighty-Four)または『1984』は、1949年に刊行したイギリスの作家ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説。全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いている。欧米での評価が高く、思想・文学・音楽など様々な分野に今なお多大な影響を与えている近代文学傑作品の一つである。
注釈
- ^ 英語のBig Brotherに独裁者という意味があるのは本作に由来する。
- ^ ゴールドスタインの禁書「寡頭制集産主義の理論と実践」の内容は、トロツキーの『裏切られた革命』を模しているとされるが、実際はオーウェル自身の権力観を書いた随筆であるという[18]。
- ^ オセアニアはその名の通り大洋に守られているため、ユーラシアは国土が広大であるため、イースタシアは人口が多く勤勉であるため。
- ^ ただし、後述するように実際に監視されているのは党員のみであり、国民の大部分を占めるプロレについては、テレスクリーンを持っていない者が多いこともあり、監視を免れている。
- ^ ただし党にとっては真実である。またダブルスピークを援用することにより、例えば本来の名称から惹起されうる「戦争省こそが戦争を生み出しているのではないか」といった思考を制限し、ニュースピークにより「豊富省は不要」というような趣旨の発言は自動的に「(ここは)豊富省ではない(free)」「豊富省の調子が良くない(ungood)」といった発言に変換される。
- ^ 処刑に際してこの手口は非常に迂遠なように思えるが、たとえばこの人物が反体制思想を著作などの形で意思を残していたとしても、洗脳により本人がそれを否定することで、より効率的に隠された遺作(反体制思想)を無力化できる。これは何よりもエマニュエル・ゴールドスタインとその異端的書物に向けられていることに注意すべきである。
- ^ この解説は1984年よりさらに未来の時点において書かれたという形式をとっている。通常の英語で書かれており、ニュースピークについて「オセアニアの公用語であり、元来、イングソックの要請に応えるために考案されたものであった」と過去形で書かれていることから、将来における体制の崩壊を暗示しているという見方もある。
出典
- ^ “100 Best Novels” (英語). Modern Library. 2021年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月27日閲覧。
- ^ “Modern Library's Choices” (英語) (1998年7月20日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ “The top 100 books of all time” (英語). The Guardian (2002年5月8日). 2021年3月27日閲覧。
- ^ Bowker, Gordon (2003). Inside George Orwell: A Biography. Palgrave Macmillan. ISBN 031223841X, Chapter 18. "thesis": p. 368-369.
- ^ Bowker, p. 383, 399.
- ^ Charles' George Orwell Links Archived 2011年07月18日, at the Wayback Machine.
- ^ John Rodden. The Politics of Literary Reputation: The Making and Claiming of "St. George" Orwell
- ^ CEJL(Collected Essays Journalism and Letters of George Orwell), iv, no. 125
- ^ Crick, Bernard. Introduction to Nineteen Eighty-Four(Oxford: Clarendon Press, 1984)
- ^ Goodman, David (2001年12月31日). “Orwell's 1984: the future is here: George Orwell believed the stark totalitarian society he described in 1984 actually would arrive by the year 2000, thanks to the slow, sinister influence of socialism”. BNET. CBS Interactive. 2012年5月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年3月25日閲覧。
- ^ Why did George Orwell call his novel "Nineteen Eighty-Four?" , by David Alan Green
- ^ www.arlindo-correia.com
- ^ Nineteen Eighty-four, ISBN 978-0-141-18776-1 p.xxvii (Penguin)
- ^ "Why I Write" (1946) in The Collected Essays, Journalism and Letters of George Orwell Volume 1 - An Age Like This 1920-1940 p.23 (Penguin)
- ^ The Collected Essays, Journalism and Letters of George Orwell Volume 4 - In Front of Your Nose 1945-1950 p.546 (Penguin)
- ^ 新庄 1972, p. 420, オーウェルの『一九八四年』
- ^ 高橋 2009, pp. 506–507
- ^ 新庄 1972, pp. 420–421
- ^ 1984 Chapter 3: War is Peace "called by a Chinese name usually translated as Death-worship, but perhaps better rendered as 'Obliteration of the Self'"
- ^ a b 見田宗介「まなざしの地獄」『リーディングス日本の社会学』 12巻、東京大学出版会、1985年、134頁。
- ^ a b George Orwell (2017). Nineteen Eighty-Four. Project Gutenberg
- ^ ジョージ・オーウェル 著、新庄哲夫 訳『一九八四年』グーテンベルク21、PT171頁 。
- ^ a b 「暗い未来のほうがリアル ディストピア小説が静かなブーム」『週刊AERA』、朝日新聞出版、2017年2月27日、[要ページ番号]。
- ^ DVD『1984』作品解説より。
- ^ “1984” (英語). Almeida Theatre. 2020年3月27日閲覧。
- ^ “1984”. 新国立劇場 演劇. 2020年3月27日閲覧。
- ^ 戦争法2法案(上)「切れ目なく」戦争に発展していく - ウェイバックマシン(2021年1月25日アーカイブ分) 社民党公式サイト
- ^ 「小説「1984」がアマゾン1位に、「もう一つの事実」で売り上げ急増」『フランス通信社』、2017年1月26日。2017年2月15日閲覧。
- ^ 平和博「「1984年」と"オルタナティブ・ファクト"、トランプ新政権とディストピアのリアリティ」『ハフポスト』、2017年1月31日。2017年7月5日閲覧。
- ^ 「「1984年」の売り上げ急増、トランプ政権が影響?」『CNN.co.jp』、2017年1月25日。2017年7月5日閲覧。
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