M8化学兵器検知紙とは? わかりやすく解説

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M8化学兵器検知紙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 02:32 UTC 版)

地下鉄サリン事件にて、サリンの陽性反応を示す検知紙。

M8化学兵器検知紙(M8かがくへいきけんちし、英語: M8 Chemical Agent Detector Paper)は化学兵器の検知器剤[1][2]アメリカ軍においては、1963年に採用された[1]

小冊子に束ねられた紙片であり、紙片を切り取り、試験対象の液体に接触させることにより、化学兵器の検知を行う[1]。M8は黄褐色の紙片であるが、液体に触れさせ、それに化学兵器が含まれていた場合は、紙片内の色素が反応し[2]、30秒内に化学剤の種類に合わせて変色する[3]。液体の検知に用いられるものであり、気体の検知には使用できない[4]。また、受動的な使用法として車両や機器の四隅等に付け、化学兵器攻撃の有無を検知する方法もある[5]

アメリカ軍をはじめ、各国で採用されており[1]M256化学兵器検知キットの標準備品でもある[6]

検知対象及び変色内容

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d Jeffery K. Smart. “A Century of Innovation THE ARMY'S CHEMICAL AND BIOLOGICAL DEFENSE PROGRAM” (PDF). p. 42. 2019年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c 瀬戸康雄「生物化学剤の現場検知法」『分析化学』第55巻第12号、日本分析化学会、2006年、891-906頁、2019年7月21日閲覧 
  3. ^ a b c d e M8検知紙、M9検知紙使用法」、鳥取県西部広域行政管理組合、2019年7月21日閲覧 
  4. ^ 奈女良昭, 西田まなみ, 屋敷幹雄, 木村恒二郎「救急医療現場での毒物簡易検査」『薬学雑誌』第126巻第12号、日本分析化学会、2006年、1271-1277頁、doi:10.1248/yakushi.126.12712019年7月21日閲覧 
  5. ^ Staff Sgt. Charles Walker,USAF (2011年2月2日). “Active, passive M8 use can help detect chemical agents”. USAF. 2019年7月21日閲覧。
  6. ^ U.S. ARMY (1988年). “RELIABILITY OF M256 CHEMICAL AGENT DETECTOR KIT”. 2019年7月21日閲覧。



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