M-95 デグマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/07 00:31 UTC 版)
M-95 デグマン | |
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種類 | 主力戦車 |
原開発国 | ![]() |
諸元 | |
重量 | 44.5 t[1] |
全長 | 10.14 m[1] |
全幅 | 3.59 m[1] |
全高 | 2.19 m(砲塔上面)[1] |
要員数 | 乗員3名[1] |
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装甲 | 最大250 mm[2] |
主兵装 | D-81T 125mm滑腔砲[1] |
副兵装 | 12.7mm機関銃×1、7.62mm機関銃×1[1] |
エンジン | V-46TK 液冷ディーゼルエンジン[1] |
出力重量比 | 22.47 hp/t[1] |
変速機 | 完全オートマチック(前進5段・後進1段)[3] |
行動距離 | 700 km(路上)[1] |
速度 | 70 km/h(路上)[1] |
M-95 デグマン (クロアチア語: M-95 Degman) は、1990年代にクロアチアで開発された主力戦車である[1]。旧ユーゴスラビア連邦製のM-84戦車をベースにしており、1995年5月に試作車が公開された[1][2]。試作車2両がクロアチア陸軍に納入されたが、量産は行われていない[2]。
開発
ユーゴスラビア連邦では、ソ連製のT-72M戦車を独自改良したM-84という戦車を開発・生産し、ユーゴスラビア人民軍で運用していた[1][2]。生産は連邦内で分散して行われており、クロアチアでは生産の21%を分担、スラボンスキー・ブロドにあるデューロ・ダコビッツ製作所で生産を行っていた[3]。
クロアチア紛争を経てユーゴスラビアから独立したクロアチアでは、RH-アラン社がM-84をベースに何種類かの改良型を開発した[3]。M-95 デグマンはこのうちの一つで、1995年5月に試作車が公開されたが、この時点では装備品の一部はモックアップだった[3]。
設計

主砲にはM-84と同じD-81T 125mm滑腔砲を搭載するが、防御面での弱点であったカセトカ自動装填装置を止め、西側戦車と同様の砲塔バスル式の自動装填装置を採用した[1]。主砲弾は42発を搭載している[1]。副武装は12.7mm重機関銃と7.62mm機関銃各1丁で、搭載弾数はそれぞれ360発、2,000発である[1]。射撃統制装置には、レーザー測距儀や環境センサー、デジタル式弾道計算機、砲手・車長用サーマルビジョンなどからなるスロベニア製のオメガ・システムを搭載している[1]。
防御面では、砲塔が平らで逆三角形をした溶接構造の新型に変更されているほか、砲塔と車体にはクロアチアで独自開発された大型の爆発反応装甲を装着している[2][3]。最大装甲厚は250ミリとされる[2]。また対戦車ミサイルに対抗するため、レーザー検知器と連動した発煙弾発射機を備える[1]。
エンジンは1,000馬力のV-46TK 液冷ディーゼルエンジンで、最大速度は時速70キロメートル、航続距離は700キロメートル、登坂能力は58%、越堤能力は0.85メートル、越壕能力は2.8メートルである[1]。トランスミッションは、機動性の改善のため前進5段・後進1段の完全オートマチック・トランスミッションを装備した[3]。
派生型
運用国
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 一戸崇雄ほか『世界の戦闘車輛 2006-2007』株式会社ガリレオ出版、2006年5月1日、29頁。
- ^ a b c d e f g h i 鮎川置太郎ほか『世界の戦車パーフェクトBOOK 決定版』コスミック出版、2024年2月4日、80頁。ISBN 978-4-7747-4337-0。
- ^ a b c d e f 日本兵器研究会 編『世界の主力戦車カタログ』アリアドネ企画、2000年7月20日、19-20頁。 ISBN 4-384-02524-6。
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. p. 79. ISBN 978-1-032-78004-7
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