昇降演算子
量子力学において、昇降演算子(しょうこうえんざんし、英: ladder operator)とは、演算子として表現される物理量の固有状態を、異なる固有値を持つ別の固有状態に写す演算子[1]。特に固有値を増加させる演算子は上昇演算子(じょうしょうえんざんし、英: raising operator)、固有値を減少させる演算子は下降演算子(かこうえんざんし、英: lowering operator)と呼ばれる。ある物理量に対応する昇降演算子を構成することで、全ての固有状態を調べ上げることが可能となる。昇降演算子が応用される代表的な例としては、量子力学における角運動量、アイソスピン、調和振動子が挙げられる。昇降演算子を用いて、固有状態を求めることは、交換関係で規定されるリー代数の既約表現を構成することに対応する[2][3]。特に最高ウェイト状態を用いたリー代数の表現は、昇降演算子と密接に関連する。一方、位置座標によって、状態ベクトルを座標表示すれば、昇降演算子は同種の系列である特殊関数同士を結びつける。こうした特殊関数に作用する昇降演算子はリー代数、リー群の表現論により、統一的に扱うことができる。
一般的な定式
2つの演算子X、Nが次の交換関係を満たすと仮定する。
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