LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇の意味・解説 

LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/30 03:08 UTC 版)

LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇
アメリカ海軍のSSC
基本情報
種別 エア・クッション型揚陸艇
計画数 72隻
前級 LCAC-1級
要目
満載排水量 180.57 t
全長 27.9 m
最大幅 14.71 m
主機 MT7ガスタービンエンジン×4基
速力 35ノット
乗員 4名
テンプレートを表示

LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇またはShip-toShore Connector(SSC)LCAC-1級エア・クッション型揚陸艇の代替としてアメリカ海軍で計画されているエア・クッション型揚陸艇

アメリカ合衆国政府はSSCプログラムの下で、1隻の試験訓練艇(LCAC 100)と最大72隻の運用艇を調達する予定[1]

来歴

テキストロン・マリーン・アンド・ランドシステムズ英語版は、2012年7月にアメリカ海軍から2億1,300万USドルの固定価格・インセンティブ契約を締結。これには1隻の試験艇及び追加の8隻の量産艇の設計と建造が含まれる。テキストロンは、2014年11月中旬に最初の9隻のSSCの建造を開始した[1]

試験艇は 2017年2月に、量産艇は2020年までにアメリカ海軍引き渡され、初期作戦能力(IOC)は2020年8月に予定されていた[1]

しかし試験艇の試験で、ギアボックスの信頼性の問題やブレードのひび割れなど、多くの技術的懸念が生じ、生産の遅延とコストの上昇を引き起こした。

これにより初期作戦能力は当初の予定より大幅に遅れ2023年後半に獲得予定[2]

最初のSSCは2020年9月2日にアメリカ海軍に納入された[3]

2022年11月現在、6隻が納入済み、11隻が建造中である[4]

設計

船体はアルミニウム合金性で安定性、耐食性が向上しており、これによりメンテナンスコストが削減される。またLCACのディープスカウトの代わりに改良された高度なスカートが組み込むことで抵抗と機体の重量が低減されており、海上での高い操縦性が可能となる[5]

乗員は操縦士、副操縦士、ロードマスター、デッキエンジニアの4名[6]

主機として4基のMT7ガスタービンエンジンロールス・ロイス)を搭載。MT7はティルトローター機のV-22で使用されているロールス・ロイスT406の設計をモデルにした派生型である[7] 。エンジンはデジタルフライトコントロールとコンピューターによって自動制御され、燃料効率が向上している。搭載されたコンピューターは、風速やナビゲーション情報を即座に計算し、機体の操縦性と方向安定性を向上させる[8]

水深5メートル以上の海域で航行可能で、風浪階級3の海況においても35ノットを発揮する。

耐用年数は30年[9]

能力

個艦戦闘機能

M2-HB .50口径機関銃M60/M240 7.62mm機関銃Mk19 40mmグレネードランチャーを搭載できる2つの銃架が設置されている[1]

輸送揚陸機能

貨物デッキは床面積168平方メートル(1,809平方フィート)を有し、積載量は74t。M1エイブラムス主力戦車であれば1両、密閉された人員輸送モジュールであれば最大145名の武装した兵員を輸送可能[1]

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ a b c d e Ship-to-Shore Connector (SSC) Landing Craft” (英語). Naval Technology. 2023年1月23日閲覧。
  2. ^ Scott, Richard (2023年1月13日). “Ship to Shore Connector (SSC) approaches IOC” (英語). Naval News. 2023年1月23日閲覧。
  3. ^ First of class LCAC 100 and 101 arrive at NSWC Panama City” (英語). Naval Sea Systems Command. 2023年1月23日閲覧。
  4. ^ Staff, Seapower (2022年11月17日). “Navy Accepts Delivery of Ship-to-Shore Connector, Landing Craft, Air Cushion 106” (英語). Seapower. 2023年1月24日閲覧。
  5. ^ Textron Starts Work on New Navy Hovercraft” (英語). USNI News (2014年11月18日). 2023年1月23日閲覧。
  6. ^ Ship-to-Shore Connector” (英語). www.textronsystems.com. 2023年1月23日閲覧。
  7. ^ Benbow, Dana Hunsinger. "Rolls-Royce to produce engines for Navy's new hovercraft fleet." Indianapolis Star, 2012年10月22日、2023年1月25日閲覧
  8. ^ Modernization, Kris Osborn, Warrior Maven-Center for Military. “Navy 2023 Budget: Doubling-Up Ship-to-Shore Connector Vehicles (SSCs)” (英語). Warrior Maven: Center for Military Modernization. 2023年1月23日閲覧。
  9. ^ MILITARY-INDUSTRIAL COMPLEX: Defense Dept. Contracts for Dec. 19, 2012” (英語). Huntington News. 2023年1月23日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇」の関連用語

LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



LCAC-100級エア・クッション型揚陸艇のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのLCAC-100級エア・クッション型揚陸艇 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS