クロール法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/19 08:39 UTC 版)
クロール法(クロールほう)とは、乾式冶金工業において用いられる、チタンの製造工程である。ルクセンブルクでウィリアム・ジャスティン・クロールが発明した。チタン原料を石油コークスと共に塩素と反応させて得られた塩化チタン(IV)をマグネシウムで還元することで金属チタンを製造する方法である。アメリカに移ったのち、クロールはさらにジルコニウム生産のための手法を開発した。クロール法の発明以前はナトリウムを還元剤に用いたハンター法がチタンの製造に利用されていたが、1946年に化学メーカーのデュポン社がクロール法を採用したチタンの工業生産を開始したのを皮切りにチタンの商業生産の多くはハンター法からクロール法に取って代わられていった[1][2]。
プロセス

鉱石から製錬された金紅石もしくはイルメナイトを、流動層の反応装置で、石油コークスによって1000℃で還元する。この混合物を塩素ガスで処理して、塩化チタン(IV)およびその他の揮発性の塩化物を生成させ、連続蒸留によってそれらを分離する。チタンは高温条件下では非常に活性な金属であるため、このように一度塩化物を経由することで効率的に不純物元素を除去することができる[3]。
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