Kobayashi Kiyochikaとは? わかりやすく解説

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小林清親

(Kobayashi Kiyochika から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 08:10 UTC 版)

小林 清親(こばやし きよちか、1847年9月10日弘化4年8月1日)- 1915年大正4年)11月28日[2] )は、明治時代浮世絵師明治10年(1877年)頃に、江戸から移り変わる東京の様子を版画で表現した。


注釈

  1. ^ 『東京名所図』版行時に、光線画と呼ばれていたかは、不詳である。吉田洋子の調べでは、1895年(明治28年)の『教科適用 毛鉛画独稽古 附教授法』が、清親による「光線画」の初出としている。そこでは、球体等を鉛筆で描く場合の、濃淡で立体感を表現することを「光線画」と呼んでいる。西洋絵画技法での「キアロスクーロ」であり、『東京名所図』でのそれとは意味あいが異なる。[18]
  2. ^ ジョルジュ・ビゴーの指導があったと思われる[20]
  3. ^ 自刻もしたが、成功したとはいいがたく、3点で終わった[20]
  4. ^ 「光線画」を止めた理由として、かつては同年1・2月の大火で、自宅とこれまでの作品・道具が燃えたから、との説があったが、その火事自体を版行しているのだから、その説はあたらない[24]。また吉田漱は、光線画は版木枚数が多く、コストがかかるため、版元の意向で手を引いたのではと推察する[25]
  5. ^ それゆえもあり、大正末期から太平洋戦争頃まで、清親を「明治の広重」と形容することがあった[26]。後述する。
  6. ^ 山梨は、1881年(明治14年)に「光線画」を止め、広重風名所絵に回帰した理由として、旧幕臣だった清親が、政府内での薩摩閥への権力集中、それに伴う大隈重信派の失脚に納得出来ず、「四民平等」理念の乖離を感じたからではと、指摘する。東京の発展を描く「光線画」は、新政府礼賛に繋がりかねず、政府を批判する「ポンチ絵」制作に移行した理由も、それで説明がつく[28]。また注釈5にて吉田漱が指摘したように、コストの問題も関係する。
  7. ^ 注釈2参照。
  8. ^ 判決は『日本』・『二六新報』誌未掲載で、判例データベースでもヒットせず。TKCローライブラリー”. 2020年7月9日閲覧。
  9. ^ 上陸用の小船。端艇[57]。幕末明初に国産化。ポルトガル語のbateiraに由来[58]
  10. ^ 「(ひろげたとき、蝙蝠の翼をひろげた姿に似ているところからいう。)西洋から伝わった雨よけ、または日よけの傘(略)こうもり。洋傘。」[59]
  11. ^ 「まんじゅう」項(一)の8より「懐中時計をいう。盗人仲間の隠語。」[60]
  12. ^ 仮装舞踏会。仮装会。」[61]
  13. ^ 例えば、河鍋暁斎[74]・月岡芳年[75]・豊原国周[76]歌川国松[77]。また清親より後の世代の鏑木清方[78]伊東深水[78]鳥居清忠 (5代目) [79] [80]神保朋世[81][82]などもいる。
  14. ^ 清親は、吟香が販売する目薬「精鈳水」等の薬品を宣伝する引札を制作している[85]。また、清親「光線画」シリーズの中でも代表作と言える、「海運橋 第一銀行」(1876・明治9年)での女性が持つ和傘には、「岸田」「銀座」の文字が記れている。銀座は吟香の居住地かつ店舗であり、二人の親密さが分かる[86][87]

出典

  1. ^ 吉田 1964, p. 3.
  2. ^ 山梨絵美子 (1994-11), “小林清親”, 朝日日本歴史人物事典, 朝日新聞出版, https://archive.is/YhyGV#29% 
  3. ^ 笹間 1991, pp. 248–250.
  4. ^ a b 練馬区立美術館・静岡市美術館 2015, p. 203.
  5. ^ 笹間 1991, p. 249.
  6. ^ 笹間 1991, p. 250.
  7. ^ 山梨 1997, pp. 30、92.
  8. ^ a b c d e 笹間 1991, p. 251.
  9. ^ 静岡県立湖西高等学校郷土研究部 2002, p. 114.
  10. ^ 山梨 1997, pp. 31、92.
  11. ^ 版画家図鑑:小林清親(こばやしきよちか)KOBAYASHI Kiyochika”. www.hanganet.jp. 2023年2月6日閲覧。
  12. ^ 山梨 1997, p. 31.
  13. ^ 木下 1981b, p. 80.
  14. ^ 角田 2019, p. 39.
  15. ^ 桑山 2012, p. 5.
  16. ^ 太田記念美術館 2015, p. 148赤木美智「小林清親『武蔵百景』に見る広重学習」
  17. ^ 桑山 2012, p. 6.
  18. ^ 吉田 2012, pp. 136-137、240-242.
  19. ^ 山梨 1997, p. 33.
  20. ^ a b 清水 1997, p. 88.
  21. ^ 山梨 1997, pp. 50–53.
  22. ^ 清水 1997, pp. 86–91.
  23. ^ 加藤 2015, p. 195.
  24. ^ 山梨 1997, pp. 38–48.
  25. ^ 吉田 1964, pp. 225–229.
  26. ^ 山梨 1997, pp. 65–66.
  27. ^ 山梨 1997, pp. 55–63.
  28. ^ 山梨 1997, pp. 48-49、55-63.
  29. ^ 練馬区立美術館・静岡市美術館 2015, pp. 204-205、214.
  30. ^ 濱田 2017, p. 78.
  31. ^ 日野原 2016, p. 73.
  32. ^ 日野原 2016, p. 65、100.
  33. ^ 日野原 2016, p. 66-95.
  34. ^ 日野原 2016, pp. 102–122.
  35. ^ 加藤 2015, p. 196.
  36. ^ 練馬区立美術館・静岡市美術館 2015, p. 205.
  37. ^ 無署名 1900.
  38. ^ 無署名 1903.
  39. ^ 吉田 1964, p. 248-249.
  40. ^ 大曲 1931, p. 24.
  41. ^ 小林 1977, pp. 115–118.
  42. ^ 山梨 1997, p. 96.
  43. ^ 吉田 1964, p. 253.
  44. ^ 林 2011, p. 48.
  45. ^ 山口 2010, p. 69.
  46. ^ 『日本の美術368 清親と明治の浮世絵』68頁。
  47. ^ a b 山梨 1997, p. 66.
  48. ^ 中山 2009.
  49. ^ 木下 1981a, pp. 144–147.
  50. ^ 木下 1981b, p. 72.
  51. ^ 木下 1981b, p. 76.
  52. ^ 木下 1981a, p. 146.
  53. ^ 永井 1963, pp. 353–354.
  54. ^ 高橋 1984, p. 431.
  55. ^ 高橋 1975, p. 82.
  56. ^ 森口 1915, p. 10.
  57. ^ 植松 2017, p. 142「バッテイラ渡海之図」
  58. ^ 小学館国語辞典編集部 2001b, p. 1236.
  59. ^ 小学館国語辞典編集部 2001a, p. 454.
  60. ^ 小学館国語辞典編集部 2001d, p. 573.
  61. ^ 小学館国語辞典編集部 2001c, p. 671.
  62. ^ 竹内 1936, pp. 16–17.
  63. ^ 吉田 1972.
  64. ^ 静岡県立湖西高等学校郷土研究部 2002.
  65. ^ 吉田 1980.
  66. ^ 貴志 1982.
  67. ^ 前田・清水 1985.
  68. ^ 山梨 1987.
  69. ^ 日野原 2016.
  70. ^ 村瀬 2017.
  71. ^ 小山 2019.
  72. ^ 小林 1977.
  73. ^ 山梨 1997, pp. 64–66.
  74. ^ 及川 1998.
  75. ^ 平松 2017.
  76. ^ 野田市郷土博物館 1993.
  77. ^ 江口 1968, pp. 14–20.
  78. ^ a b 高橋 1975, p. 88.
  79. ^ 無署名 1974, pp. 36–37.
  80. ^ 利倉 1977, pp. 202–204.
  81. ^ 弥生美術館 1997.
  82. ^ 国際浮世絵学会 2008, pp. 255清水久男「神保朋世」
  83. ^ 内藤 2017, p. 156.
  84. ^ 鈴木 2017, p. 442.
  85. ^ 高嶋 2014, pp. 68–69.
  86. ^ 高嶋 2014, p. 103.
  87. ^ 練馬区立美術館・静岡市美術館 2015, pp. 8–9.
  88. ^ 高嶋 2014, p. 121.
  89. ^ 練馬区立美術館・静岡市美術館 2015, pp. 85–88.


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