Jカーブ効果 (経済学)とは? わかりやすく解説

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Jカーブ効果 (経済学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 03:10 UTC 版)

経済学において、Jカーブ効果(Jカーブこうか、: J-Curve Effect)とは、為替レートが変動したときに、短期的に、予想される方向とは逆方向に貿易収支(もしくは経常収支)が動く現象のことを指す。[1]例えば、日本の貿易収支について、日本の通貨である円が安くなれば(円安)、通常は貿易収支の黒字が増えることが予想される[注 1]が、すでに契約済みの輸出数量は変化しないため、短期的には貿易収支の赤字が増加する。しかし、長期的には、貿易収支は黒字方向へと反転するため、貿易収支の描く軌跡はJの字のようなカーブとなる。経済学では、Jカーブ効果は、短期的にマーシャル・ラーナー条件が満たされないために発生するとされている[2]


注釈

  1. ^ 輸出国通貨建てで貿易をしているとすると、日本の輸出品の、輸入国通貨建て価格が下落するため、貿易相手国は日本の輸出品を買いやすくなるためである。

出典

  1. ^ 野村證券、証券用語解説集「Jカーブ効果」2015年1月7日閲覧。
  2. ^ a b 「現代国際金融論第4版」上川孝夫・藤田誠一 編、有斐閣ブックス、2012年、50ページ。
  3. ^ 岡部光明「為替相場の変動と貿易収支:マーシャル=ラーナー条件の一般化とJ-カーブ効果の統合」『明治学院大学国際学研究』第39巻、明治学院大学国際学部、2011年3月、19頁、CRID 1050001339221370112hdl:10723/1482ISSN 0918-984X 
  4. ^ a b c アベノミクスと円安、貿易赤字、日本の輸出競争力」清水順子・佐藤清隆、為替レートのパススルーに関する研究、RIETI、2014年。
  5. ^ Jカーブ効果発現しない理由、新興国失速など=甘利経済再生相」ロイターニュース日本語版、2015年1月8日閲覧。


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