フューチュリティステークスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > フューチュリティステークスの意味・解説 

フューチュリティステークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 14:16 UTC 版)

フューチュリティステークスFuturity Stakes)とは競馬の競走である。2歳馬限定の競走として様々な地域に同名・類似名の競走が存在する。

英単語の「futurity」は「未来」「将来」を意味する「future」の派生形であり、特に「future」と区別した意味としては「未来の世代(future generation)」などの意味となる[1]。競馬の世界では、「juvenile」とならんで若馬を指す用語として使われるが、一般に競走馬が競走に出走するのは2歳になってからなので、一般に2歳馬限定の競走名に「futurity」が使用されている。

1880年にアメリカ・ニューヨークのブルックリンにシープスヘッドベイ競走場(en:Sheepshead Bay Race Track)が新設された。ここで行われた最初の大競走がサバーバンハンデ(1884-)で、その4年後の1888年にフューチュリティステークス(Futurity Stakes)が創設[2]された。このフューチュリティステークスは2歳牡馬限定の競走で、当時アメリカで最も賞金の多い競走だった。この競走に出走するためには、その馬が生まれる前の時点から登録料を払うことが条件で、それによって高額の賞金の原資としていた。この競走は、幾度かの移転を経て、2013年時点ではベルモントパーク競馬場で行われている。

現在では各地で2歳馬限定戦として「フューチュリティ」を称する競走が行われており、必ずしも牡馬限定でもなければ、出生前からの登録を要件とするものばかりではない。

主な「フューチュリティステークス」

2歳戦・G1競走

  • フューチュリティトロフィー - 旧名フューチュリティステークス(1976-1988)→レーシングポストトロフィー(1989-2017)。イギリス・ドンカスター競馬場で行われる2歳牡馬・牝馬限定のG1競走で、1976年から1988年の間、「フューチュリティステークス」の名称で行われていた。この競走はしばしばスポンサーの交代があり、タイムフォーム誌がスポンサーの「タイムフォームゴールドカップ」、ジ・オブザーヴァー紙がスポンサーの「オブザーヴァーゴールドカップ」、ブックメーカーのウィリアムヒルがスポンサーの「フューチュリティステークス」(しばしば「ウィリアムヒル・フューチュリティステークス」(William Hill Futurity Stakes))、レーシングポスト誌がスポンサーの「レーシングポストトロフィー」と競走名が変遷している。「フューチュリティステークス」時代の勝馬からはリファレンスポイントが翌年のダービーステークスを制している[3]

その他のG1競走

その他の格付け済競走

  • フューチュリティステークス - アメリカ・ベルモントパーク競馬場 - 上述の競走。1888年創設。正式名称はフューチュリティステークス(Futurity Stakes)だが[5]、後にアメリカ各地でフューチュリティ競走が作られると、それらと区別するため、特にベルモントフューチュリティステークスen:Belmont Futurity Stakes)とも通称される。長い間、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルにつながる、アメリカの2歳牡馬の競走としては最も重要な競走の一つとしてG1に格付けされてきたが、2004年からG2、2016年からG3[6]、2018年はリステッドレースに降格したが、2019年からG3に昇格する。
  • フューチュリティステークス(en:Futurity Stakes (Ireland)) - アイルランドの2歳馬によるG2競走[7]。1950年に「アシュフォードキャッスルステイヤーズ(Ashford Castle Stayers)」の名称で始まり、何度も名称が変わっている。1980年代には名称が「フューチュリティステークス」に落ち着くが、スポンサーの交代によって数年おきに冠称が変わっている。1988年は“パナソニックスマーフィットフューチュリティ”、1989年から3年間は“パナソニックスマーフィットEBFフューチュリティステークス”、1999年から2年間が“キングオブキングスEBFフューチュリティステークス”、2001年は“キングオブキングスヨーロピアンブリーダーズファンドフューチュリティステークス”、2002年と2003年は“ガリレオEBFフューチュリティステークス”…といった具合である。近年の勝馬の中には、ウッドマンセントジョヴァイトジャイアンツコーズウェイニューアプローチなどがいる[8]

競走名に「フューチュリティ」が入る主な競走

2歳戦・G1競走

2歳戦の重賞

  • アーリントンワシントンフューチュリティ(Arlington-Washington Futurity) - アメリカ・アーリントンパーク競馬場の2歳戦(AW8ハロン)。2012年時点での格付けはG3[5]。2017年よりリステッドレースに降格される[11]。2022年からは格付け外の競走となった[12]
  • チャーリーパーマーフューチュリティ(Charlie Palmer Futurity)- アメリカ・フレスノ競馬場の2歳戦(ダート8ハロン)。2012年の格付けはL(リステッドレース[5]
  • ゴールドラッシュフューチュリティ(Gold Rush Futurity) - アメリカ・アラパホ(Arapahoe)競馬場で行われている。2013年現在は格付け外。1981年から1984年はG3に格付けされていた[13]

注釈・出典・参考文献

  1. ^ インターネット英英辞典2014年4月8日閲覧
  2. ^ ニューヨークタイムズ紙 1888年9月3日付2014年4月8日閲覧。
  3. ^ Galopp-Sieger レーシングポストトロフィー歴代勝馬2014年4月8日閲覧
  4. ^ JRA公式HP 2011年アジアマイルチャレンジの概要2014年4月8日閲覧
  5. ^ a b c d e ICSC アメリカの格付け競走一覧2014年4月8日閲覧。
  6. ^ TOBA Announces U.S. Graded and Listed Stakesbloodhorse.com、2016年3月13日閲覧
  7. ^ Galileo E.B.F. Futurity S.2014年4月8日閲覧
  8. ^ Galopp-Sieger アイルランドフューチュリティS勝馬一覧2014年4月8日閲覧
  9. ^ JRA公式HP 平成26年度競馬番組等について
  10. ^ ロスアラミトス競馬場公式HP ロスアラミトスフューチュリティ出走登録案内2014年4月8日閲覧。“Race formerly conducted as the Cash Call Futurity at Hollywood Park”
  11. ^ Blue Grass, Wood Memorial Downgradedbloodhorse.com、2016年12月3日閲覧
  12. ^ Blue Grass Stakes to Return to Grade 1 Status”. bloodhorse.com (2022年1月28日). 2022年1月29日閲覧。
  13. ^ EQUIBASE Gold Rush Futurity2014年4月10日閲覧。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フューチュリティステークス」の関連用語

フューチュリティステークスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フューチュリティステークスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフューチュリティステークス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS