FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿とは? わかりやすく解説

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FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/19 13:43 UTC 版)

スタートシーン(2021年)

ソーラーカーレース鈴鹿(ソーラーカーレースすずか)とは、三重県鈴鹿市鈴鹿サーキットで毎年8月に開催されるソーラーカーレースである。正式名称は『FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿』(エフアイエイ エレクトリック アンド ニュー エナジー チャンピオンシップ - )。

近年では太陽電池の高効率化、複合材料による車体の軽量化、充電池の小型軽量化、パワーエレクトロニクスの発展による制御装置の効率向上、電動機の高出力化により全般的に高性能化が進み、晴天時には時速100km以上でのレース展開が繰り広げられる。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くのチームが制作・活動が困難となり、関係者の安全に最優先に考慮し、開催中止されることとなった[1]

鈴鹿サーキットは「技術が大きく進化し代替エネルギーのトレンドも変化した現在の社会状況のなかでソーラーカーレースがこれまで担ってきた役割を果たした」とし、2021年大会をもって終了すると発表した[2]

レース概要

2日間にかけて実施される。2011年からは、金曜日は公式車検と予選を兼ねたフリー走行、土曜日にエンジョイI/IIクラスの4時間耐久、ドリーム、チャレンジ、オリンピアクラスの5時間耐久が行われる[3]

  • 以前は1992年に3時間 - 2時間 - 3時間 - 2時間の4ヒート・10時間耐久で行われていた。
  • 1993年から1998年までは土曜日に公式予選と3時間、日曜日に午前2時間、午後3時間の3ヒート・8時間耐久で行われていた。[4]
  • 1999年から2010年まではドリーム・チャレンジクラスは2ヒート制で、土曜日に公式予選と8時間耐久レースの第1ヒート(4時間)、日曜日の午前にエンジョイクラスの4時間耐久、午後から8時間耐久第2ヒート(4時間)が行われていた。

大潟村ワールド・ソーラーカー・ラリーと双璧を成すレースで、ワールド・ソーラーカー・ラリーの方は平坦で直線部の多いコースで周回数を重ねるのとは対照的に、鈴鹿サーキットのフルコースを用い、起伏のあるカーブの多いコースでレースが繰り広げられる。

レギュレーション

競技規則

  • レースに参加するドライバーは「国際ソーラーカーライセンス」または「国際Cドライバーライセンス」以上が必要となる。
  • また国際競技なので「メディカルサーティフィケイト(Medical Certificate:診断書、国際身体検査証)」の所持も義務付けられている。
    • 「国際ソーラーカーライセンス」は、ライセンス講習会を受講する必要がある。資格は受講日当日に16歳以上、18歳以上はJAF会員であること。
  • 1999年からレース中のドライバー交代が義務付けられるようになった。2019年からは猛暑対策として「連続運転時間は2時間(2021年は1時間30分)を超えてはならない」ことと「ドリンクボトルの携行」が規則に追加された。

技術規則

5時間耐久

  • 現在ソーラーカー車両規則には国際自動車連盟(FIA)カテゴリーⅠとオリンピアクラスの2種類がある。
    • FIAカテゴリーⅠには太陽電池の出力に応じて複数のクラスがある。ただし、GaAs(ガリウムヒ素)製ソーラーパネルの使用はできない。
  • 全クラスを通じて、ドライバーの最低重量(装備込み)は80kgで、足りない場合はバラストを搭載する。ドライバー交代時にバラストの積み替えはできない。また、2015年以降に制作された車両は4輪車両でなければならない
ドリーム(DREAM)クラス
1997年まではTOMORROWクラスと呼ばれていた。鉛以外のバッテリーの使用も認められるほか、ソーラーパネル出力も最低480Wで上限がない。
チャレンジ(CHALLENGE)クラス
1997年まではTODAYクラスと呼ばれていた。ソーラーパネル出力が480Wを以上800W以下のクラス。バッテリーは鉛のみ使用可。
  • 車両寸法は全長:5.0m、全幅:1.8m、全高:1.6mを超えてはいけない[5]
  • 上記クラスについて、過去にソーラーカー競技に参加したことのある車両のみで、新規に車両製作することは認められていない。
オリンピア(OLYMPIA)クラス
2008年に追加されたカテゴリーで、FIAの代替エネルギー車両規則に定められたオリンピアクラス準拠のクラス。ソーラーパネル出力の制限はない。
  • 車両寸法は全長:4.5m、全幅:1.8m、全高:1.6mを超えてはいけない。
  • 車両(バッテリーを除く)の最低重量は100kg。

4時間耐久

  • 1999年からエンジョイクラス単独で4時間耐久として行われるようになり、2018年から国内格式となった。
  • エントラントやドライバーも国内競技ライセンスでも出場でき「メディカルサーティフィケート」所持の義務もない。
エンジョイ(ENJOY)クラス
1995年に追加されたカテゴリーで、1997年までCOSMOクラスと呼ばれていた。
ソーラーパネル出力が480W以下でバッテリーは鉛のみ使用可。ドライバーの最低重量(装備込み)は70kg。
クラスはさらに「ENJOY I」(チームメンバーの5名以上が同年4月1日時点で18歳未満かつ高校・高専在学中)と「ENJOY II」(それ以外)の2クラスに分けられる。

歴史

レースは1992年以降毎年開催される。現在まで国内で継続的に開催されるソーラーカーによる競技としては最も長い歴史がある。

大会名称

名称のうしろに開催年が1999年までは下2桁、2000年以降は4桁で入る。

  • 1992年 - 1994年 : ソーラーカーレース鈴鹿
  • 1995年 - 1997年 : FIA ELECTRO-SOLAR CUP コスモ石油カップ ソーラーカーレース鈴鹿
  • 1998年 - 2002年 : FIA ELECTRO-SOLAR CUP DREAM CUP ソーラーカーレース鈴鹿
  • 2003年 - 2010年 : FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP DREAM CUP ソーラーカーレース鈴鹿
  • 2011年 - 2013年 : FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿
  • 2014年 : FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP マイナビ ソーラーカーレース鈴鹿
  • 2015年 - 2016年 : FIA ALTERNATIVE ENERGIES CUP ソーラーカーレース鈴鹿
  • 2017年 - 2021年 : FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿

脚注

  1. ^ 「2020 Ene-1 Challenge」の中止について鈴鹿サーキット(2020年4月27日)
  2. ^ 「FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース」の2022年以降の開催終了について鈴鹿サーキット(2020年11月10日)
  3. ^ 鈴鹿2011 5耐レース直前レポート - ZERO TO DARWIN PROJECT
  4. ^ ただし1993年は荒天のため6時間30分に短縮された。
  5. ^ 2002年までに作られ、大会出場実績のある車両は全長:6.0m、全幅:2.0m以内なら参加可能。

関連項目

他の大会

外部リンク




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