BSA・ライトニングとは? わかりやすく解説

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BSA・ライトニング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/22 06:57 UTC 版)

BSA・ライトニング
製造者 BSAモーターサイクルズバーミンガム スモール・ヒース英語版 アーモリー・ロード)[1][2]
別名称 A65L
親会社 バーミンガム・スモール・アームズ
製造期間 1965–1972
エンジン 654 cc (39.9 cu in) OHV パラレルツイン
最高速度 112 mph (180 km/h)[1]
最大出力 52 bhp (39 kW) @ 7,000 rpm(公称値)[3]
トランスミッション 4速、チェーン駆動
ブレーキ ドラム
前: 8.0 in (200 mm)
後: 7.0 in (180 mm)[1]
ホイールベース 56 in (1,400 mm)
シート高 32.3 in (820 mm)
車重 395 lb (179 kg) (乾燥重量)
燃料容量 4 imp gal (18 l; 4.8 US gal)
オイル容量 エンジン:110 imp fl oz (3.1 L)
ギアボックス:18 imp fl oz (0.51 L)
燃費 58 mpg‑US (25 km/L)[1]

BSA・ライトニング(BSA Lightning)は、1965年から1972年にバーミンガムで製造されたイギリスのBSA製650ccクラスのオートバイ[4]

開発

BSA・ライトニングは1960年代のオールラウンド・スポーツ・マシンとして[5]、主としてアメリカ市場への輸出を目論んで開発され[6]、ツーリングモデルのサンダーボルトと、のちに開発されるBSA・スピットファイア英語版の間を埋めるものだった。エンジンの開発においてはより信頼性が高く静粛で、オイル漏れを少なくすることを目的としており、最高速度を犠牲にして中回転域と乗り心地を改善した。それにもかかわらず、デュアルキャブレターモデルのA65Lは108 mph (174 km/h)2到達することができた。油圧警告灯の追加も改善点の一つだったが、頻繁に誤動作するのでライダー無視することを学んだ[7][より良い情報源が必要]

スタンダードのA65に対してクロスレシオに設定されたギアボックスと、ハイリフトカムの組み合わせが活発な加速性能と高回転での高性能を作り出していた。しかしながら、1速がやや高めに設定されていたため、ライダーは10 mph (16 km/h)までは半クラッチを使う必要があった。5000rpm以上での過大な振動が、90 mph (140 km/h)以上で頻発するウィーヴィングとともに苦情のもととなった。[要出典]

便利な機能としては、バッテリー上がり時にオルタネーター出力を点火コイルに直接接続する「非常始動」のキーポジションがあった[1]

エキゾーストバランスパイプを見えるライトニング

1969年以降のライトニングでは、左右のエキゾーストパイプをつなぐバランスパイプ、サイレンサー内部構造の再設計、クランクケース合わせ面の拡大、フロントのツーリーディングブレーキなどの改善が施された。モーターサイクルスポーツ誌は路上テストで、自然な巡航速度は時速70 mph (110 km/h)であると判断したが、高ギアで5,500rpm以上になると激しい振動のため快適に走行できず、6,200回転ではヘッドライトの電球のフィラメントが繰り返し破損したため、最高速度での走行は試みられなかった[3]

1972年、BSAグループは財政難に陥り、ブランド寿命を延ばす最後の試みとして、A65L用の新フレームが開発された。シート高が実用的ではない33 in (840 mm)まで高くなっただけでなく、このフレームは英国自動車産業研究協会英語版(MIRA)のコースでのテスト中に破損し、英国製ツインシリンダーバイクの中でも最も成功したシリーズの一つの終焉を告げた[8]

A70ライトニング

AMA英語版のクラスCレース用の750ccマシンを作るために、BSAはライトニングのクランクシャフトを変更してストロークを11mmのばし、排気量を751ccとした。202台のA70ライトニングが最低必要台数を満たすために製造され、その全てがアメリカ合衆国に輸出されたが、ほとんどはボルチモアの東海岸担当ディストリビューター向けだった[9]

映画『007/サンダーボール作戦』

1965年のジェームズ・ボンド映画『007/サンダーボール作戦』には、ミサイルを装備したフルフェアリングの金色塗装のBSAライトニングが登場し[10]、元ロードレースチャンピオンのビル・アイビースタントマンとして乗り込み[11]、イタリア人女優ルチアナ・パルッツィ演じるボンドガール、フィオナ・ヴォルペに似せるため金髪のかつらを被っていた。ヴォルペはBSAライトニングから2発のロケットミサイルを発射し、ボンドを追跡していたリッペ伯爵の車を破壊した[12]

バイクには実際に作動するミサイル発射システムが装備されていたが、車を破壊した爆発は、スタントコーディネーターのボブ・シモンズが遠隔操作で仕掛けたものだった[13]。このシーンの撮影は、フォード・モーターの映画『A Child's Guide to Blowing Up a Motor Car』に収録されており、これは『007/サンダーボール作戦』のアルティメットDVD版に収録されている。

1965年9月、実際のバイクはメトロポールホテル展示センター英語版で開催されたブライトンモーターサイクルショーで展示された[14]

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e Motorcycle Mechanics, August 1965, p.36/37, Leapaway Lightning. Road test by Editor John Houslander. Accessed 2013-12-14
  2. ^ Motorcycle Sport, June 1969, p.225 BSA factory full-page advert Accessed and added 2014-07-02
  3. ^ a b Motorcycle Sport, June 1969, p.226 BSA Lightning road test Accessed and added 2014-07-02
  4. ^ Clarke, R. M.. BSA Twins - A50 & A65 Gold Portfolio. Brooklands Books Ltd. ISBN 9781855203372 
  5. ^ Motorcycle Sport, June 1969, p.226 BSA Lightning road test. "The catalogue describes the Lightning as a sports machine...". Accessed and added 2014-07-02
  6. ^ Motorcycle Mechanics, August 1965, p.36/37, Leapaway Lightning. Road test by Editor John Houslander. "Bulk of the Lightning production is said to be earmarked for the American market—and frankly we can't blame the Yanks for wanting them—they are the cream at the top of BSA's big bike production". Accessed and added 2014-07-02
  7. ^ 1969 BSA A65 Lightning”. 2009年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月14日閲覧。
  8. ^ Reynolds, Jim (1990). Best of British Bikes. Patrick Stephens Ltd. ISBN 1-85260-033-0. https://archive.org/details/bestofbritishbik0000reyn 
  9. ^ 1971 BSA A70 Lightning”. Classic-British-Motorcycles.com. 2018年6月25日閲覧。
  10. ^ Parker, Barry (November 2005). Death Rays, Jet Packs, Stunts & Supercars: The Fantastic Physics of Film's Most Celebrated Secret Agent. Johns Hopkins University Press. pp. 138. ISBN 978-0-8018-8248-7. https://archive.org/details/deathraysjetpack0000park/page/138 
  11. ^ BSA Lightning Scrambler”. BikeBound. 2023年1月10日閲覧。
  12. ^ BSA Lightning Motorcycle (Thunderball)”. 2009年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月14日閲覧。
  13. ^ BSA Lightning 007”. 2008年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月14日閲覧。
  14. ^ Motor Cycle, 9 September 1965, Brighton Show Edition. p.363. 'BSA, Stand 9'. "James Bond fan? Make a bee-line for the Beesa stand: that rocket firing twin from the Thunderball film will be there". Accessed 2013-08-26

外部リンク




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