鳥屋城 (紀伊国)とは? わかりやすく解説

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鳥屋城 (紀伊国)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/09 00:09 UTC 版)

鳥屋城
和歌山県
別名 石垣城[1]
城郭構造 山城
主な改修者 畠山尚順[2]
主な城主 畠山氏
廃城年 天正13年(1585年)?
遺構 曲輪、堀切、土塁、石積み[1]
位置 北緯34度3分45秒 東経135度16分12秒 / 北緯34.06250度 東経135.27000度 / 34.06250; 135.27000座標: 北緯34度3分45秒 東経135度16分12秒 / 北緯34.06250度 東経135.27000度 / 34.06250; 135.27000
地図
鳥屋城
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鳥屋城(とやじょう)は、和歌山県有田郡有田川町中井原にあった日本の城山城[1]

概要

鳥屋城は鳥屋城山に築かれた山城で、標高305m、比高255mに位置する[1]。東西に細長く続く曲輪群からなり、西の曲輪群と東の曲輪群とに分けられる[3]

鳥屋城のあった石垣荘は中世武士団湯浅党の拠点の一つであり、後に守護畠山氏の所領となった[1]

永正17年(1520年)に畠山尚順が内衆・野辺慶景や国人湯河氏玉置氏に広城を追放されたが[4]、それを機に畠山氏の拠点が広城から鳥屋城に移ったといわれる[1]

天正13年(1585年)3月、羽柴秀吉紀州攻めを行い、鳥屋城は仙石秀久中村一氏小西行長らにより落城した[5][6]。この戦いで、畠山式部太輔・村上六右衛門親子3人・柏原父子・根来寺法師蓮蔵院以下多数が討ち取られた[7][5][6]

今に残る遺構については、縄張が単調で、羽柴軍に備えて整備されたものと考えにくいことから、天正13年以前のものと推測される[8]

鳥屋城の西2kmの地点には、畠山氏またはその被官・神保氏の館と伝わる金屋土居があった[9]。金屋土居は東西120m、南北100mの堀を持つ守護所にふさわしい規模の館であり、詰城となる鳥屋城に対する居館であったとも考えられる[9]

脚注

  1. ^ a b c d e f 和歌山城郭調査研究会 2019, p. 38.
  2. ^ 和歌山城郭調査研究会 2019, p. 18.
  3. ^ 新谷 2017, p. 24.
  4. ^ 弓倉 2006, pp. 207–209; 新谷 2017, pp. 21–23.
  5. ^ a b 和歌山県史編さん委員会 編 『和歌山県史 中世』和歌山県、1994年、652頁。全国書誌番号:94039163 
  6. ^ a b 弓倉 2006, pp. 125–128; 新谷 2017, pp. 23–24.
  7. ^ (天正13年)3月25日付小早川隆景宛羽柴秀吉書状(「小早川家文書」)。
  8. ^ 新谷 2017, p. 26; 和歌山城郭調査研究会 2019, p. 39.
  9. ^ a b 新谷 2017, pp. 26–27.

参考文献

  • 新谷和之 著「紀伊国における守護拠点の形成と展開」、小谷利明; 弓倉弘年 編 『南近畿の戦国時代 躍動する武士・寺社・民衆』戎光祥出版〈戎光祥中世史論集 第5集〉、2017年。 ISBN 978-4-86403-267-4 
  • 弓倉弘年 『中世後期畿内近国守護の研究』清文堂出版、2006年。 ISBN 4-7924-0616-1 
  • 和歌山城郭調査研究会 編 『戦国和歌山の群雄と城館』戎光祥出版〈図説 日本の城郭シリーズ12〉、2019年。 ISBN 978-4-86403-311-4 

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