鳥原ツルとは? わかりやすく解説

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鳥原ツル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/01 15:41 UTC 版)

鳥原 ツル(とりはら ツル、1895年(明治28年)1月8日[1] - 1981年(昭和56年)11月24日[1])は、日本の教員。日本で最初の女性校長とも言及されるが、鳥原より先に校長となった女性が複数確認されている(後述)。

経歴

宮崎市出身。宮崎県最初の訓導の一人である鳥原定静を父として生まれる[2]

1915年大正4年)、宮崎県立宮崎県師範学校女子部(のちの県立宮崎女子師範学校→官立宮崎師範学校、現在の宮崎大学教育文化学部の前身)を卒業し、教員となる[2]。25歳であった1920年(大正9年)7月3日に、宮崎県師範学校附属小学校(現・宮崎大学教育文化学部附属小学校)訓導から大淀町立古城尋常小学校(現・宮崎市立古城小学校)の校長に着任した[2]。校長在任2年で関東州にあった旅順高等女学校に転任した[2]

のちに医師と結婚、戦後は日本に引き揚げて宮崎で暮らした[2]

「日本初の女性校長」の称号について

上述のように鳥原ツルは1920年(大正9年)に大淀町立古城尋常小学校の校長に着任しており、日本で最初の女性校長であったともされる[1][2]。しかし毛利勅子(毛利広鎮の娘で毛利元美の妻)は1873年(明治6年)に山口県で船木女児小学(山口県立厚狭高等学校の前身)を設立して同校の校長に就任しており[3][4][5][6]、この毛利勅子を日本初の女性校長とすることもある[3][4]

ジェンダー史研究者の高野良子は、上述の毛利勅子に加えて1882年(明治15年)に茨城県の堺女子学校の校長となった丹羽サク[3][4]1884年(明治17年)に東京府の麹町女子小学校の校長となった木村さた[3][4](名前の表記は「木村貞子」[3]とも)、1885年(明治18年)に富山県の菊芳小学校の校長となった杉木秀能[7][8][4]、および1902年(明治35年)に千葉県の大久保小学校の校長となった秋葉屋寿[9][4]を女性校長の前例として挙げ、この5人に続く日本で6番目の女性校長が鳥原ツルであったとしている[4]

脚注

  1. ^ a b c 鳥原ツル - コトバンク(講談社『日本人名大辞典』)
  2. ^ a b c d e f 鳥原ツル - ウェイバックマシン(2022年6月25日アーカイブ分) - みやざきの101人(宮崎県庁ウェブサイト)
  3. ^ a b c d e 木戸若雄『婦人教師の百年』明治図書出版〈明治図書新書〉、1968年、140-141頁。NDLJP:3040110/72 
  4. ^ a b c d e f g 高野良子「図表1-1 県別戦前期女性校長(公立小学校相当)に関する基礎データ」『女性校長の登用とキャリアに関する研究 ―戦前期から1980年代までの公立小学校を対象として―』風間書房、2006年、44-45頁。ISBN 4-7599-1579-6 
  5. ^ 毛利勅子(もうり ときこ)とは?”. コトバンク 日本人名大辞典. 講談社. 2025年7月17日閲覧。
  6. ^ 山口県の女子教育のパイオニア 毛利 勅子”. 山口県の先人たち. 山口県ひとづくり財団 (2013年). 2025年7月17日閲覧。
  7. ^ 『ふるさとの野に: 上条小史』富山市立上条公民館上条校下ふるさとづくり協議会、1989年3月、54頁。NDLJP:13205378/31 
  8. ^ 富山大百科事典編集事務局 編「杉木秀能」『富山大百科事典 上巻』北日本新聞社、1994年8月1日、981頁。NDLJP:13207554/599 
  9. ^ 森操 著「県下初めての女性校長 秋葉屋寿女史」、「千葉県の教育に灯をかかげた人々」編集委員会 編『千葉県の教育に灯をかかげた人々』 2巻、千葉県教育会館維持財団文化事業部、1989年11月15日、436-442頁。NDLJP:13145913/225 

関連項目

  • 木内キヤウ - 1931年に東京府で尋常小学校長となった女性。「日本最初の女性小学校長」とする文献がある。



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