香港・フィルハーモニー管弦楽団とは? わかりやすく解説

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香港フィルハーモニー管弦楽団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/21 09:21 UTC 版)

香港フィルハーモニー管弦楽団
原語名 香港管弦樂團
Hong Kong Philharmonic Orchestra
活動期間
  • 1947年設立
  • 1957年改名
公式サイト www.hkphil.org

香港フィルハーモニー管弦楽団(ホンコンフィルハーモニーかんげんがくだん、繁体字中国語: 香港管弦樂團英語: Hong Kong Philharmonic Orchestra)は、香港を拠点に活動するオーケストラである。略称は港樂(港楽)、HK Phil(香港フィル)、HKPO

概要

香港フィルハーモニー管弦楽団の前身は、1947年に設立された中英管弦楽団(中英管弦樂團、Sino-British Orchestra)である。同年10月31日に香港大学陸佑堂にて、このオーケストラの最初の演奏会が行われた[1]。1957年に香港管弦楽団(香港管弦樂團、Hong Kong Philharmonic Orchestra)に改名し[2]、1974年に香港政庁主導によりプロ・オーケストラとなった[1][2]

1984年にケネス・シャーマーホーンを音楽監督に招聘し、楽団を次のレヴェルに引き上げる土台を築いた[2]。1987年に香港で設立されたNAXOSに当初から関わり、シャーマーホーンとの録音により、世界中に香港フィルのサウンドを伝えた[2]

1989年に音楽監督に就任したデイヴィッド・アサートン以降、オーケストラはさらに成長を遂げることとなる[1]。2000年に音楽監督に就任したサミュエル・ウォン英語版による大幅な楽員整理によって、楽員と指揮者間では大きな軋轢を生じることとなったが、楽員の若返りなどにより、結果的にはオーケストラのレベル向上となった[1][2]

2004/2005年シーズンより、オーケストラ・ビルダーと名高いエド・デ・ワールトが音楽監督及び首席指揮者に就任した。デ・ワールトの指揮で公演されたコンサートオペラ形式での『サロメ』、『ばらの騎士』、『エレクトラ』(以上リヒャルト・シュトラウス)、『蝶々夫人』(プッチーニ)、『ワルキューレ』第1幕(ワーグナー)、ベートーヴェンの『フィデリオ』(ベートーヴェン)は、いずれも大きな反響を呼んだ。また、マーラーの作品を音楽監督就任以来積極的に取り上げ[2]第8番(千人の交響曲)以外のマーラーの交響曲は全て演奏をしている。
定期公演をはじめ、オペラバレエとの共演、ポップスターとのクロスオーバー・コンサートなど[1]、年間150回以上の演奏回数をこなし、年間20万人以上の聴衆を動員している。主なコンサート会場は、ベニューパートナーの香港文化中心である。

2012/2013年シーズンより、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデンが音楽監督に就任した。NAXOSが社運をかけて挑んだ「ニーベルングの指環」全曲録音にヴァン・ズヴェーデンと香港フィルが起用され、グラモフォン誌の「オーケストラ・オブ・ザ・イヤー」を獲得した[2]。2018/2019シーズンにニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督に就任したヴァン・ズヴェーデンだが、2023/2024シーズンまで香港フィル音楽監督を務めた[3]
2026/2027シーズンからはタルモ・ペルトコフスキが音楽監督を務めることが発表された[4]

歴代指揮者

音楽監督

  • 1974年 - 1975年:
リン・ケヂアン(林克昌)
  • 1977年 - 1978年:
ハンス・ギュンター・モマー
  • 1979年 - 1981年:
トン・リン(董麟)
  • 1984年 - 1989年:
ケネス・シャーマーホーン
  • 1989年 - 2000年:
デイヴィッド・アサートン
  • 2000年 - 2003年:
サミュエル・ウォン英語版(黃大德)
  • 2004年 - 2012年:
エド・デ・ワールト
  • 2012年 - 2024年:
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン[3][4]
  • 次期音楽監督:
タルモ・ペルトコフスキ (2026/2027~) [4]

桂冠指揮者

  • 2000年 - 2009年:
デイヴィッド・アサートン

首席客演指揮者

  • 1982年 - 1985年:
マクシム・ショスタコーヴィチ
  • 1984年 - 1993年:
ケネス・ジーン(甄健豪)
  • 2015年 -:
ロン・ユー(余隆)

脚注

出典

  1. ^ a b c d e 世界のオーケストラ(3) ~日本、オセアニア、中東、アフリカ、アジア全域 編~ 2022, p. 58-63「3.香港フィルハーモニー管弦楽団」.
  2. ^ a b c d e f g 音楽の友 & レコード芸術 2020, p. 176, 「香港フィルハーモニー管弦楽団」.
  3. ^ a b 香港発 〓 指揮者のズヴェーデンが香港フィルとの契約を延長”. 月刊音楽祭. 楽壇ニュース. 2024年9月6日閲覧。
  4. ^ a b c 香港発 〓 香港フィルの音楽監督にペルトコスキ、ズヴェーデンの後任”. 月刊音楽祭. 楽壇ニュース. 2024年9月6日閲覧。

参考文献

  • 音楽の友レコード芸術 編『最新版 世界の名門オーケストラ オーケストラ・ファン必携!』音楽之友社〈ONTOMO MOOK〉、2020年4月。ISBN 978-4-276-96306-1 
  • 上地 隆裕著『世界のオーケストラ(3) ~日本、オセアニア、中東、アフリカ、アジア全域 編~』株式会社 芸術現代社、2022年。ISBN 978-4-87463-221-5 

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