首のおかわり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 10:23 UTC 版)
吉四六の近所には人の話を聞くのが三度の飯より好きな男が居た。しかし、その男は悪い癖があり、自分に納得できない話には「まさかそげんなことありゃすめえ」といちゃもんをつける。ある時、その男が吉四六に何か話はないかと尋ねてくるが、吉四六は「まさかそげんなこととは言うな。言ったら米一俵もらう」と約束をする。そこで吉四六は話を始めた。殿様が外を歩いていると持っていた扇子に鳶の糞がぺたっと落ちた。家来はすぐに「へい、扇子のお代わり」と言って代わりを持ってくる。それからしばらくすると、偶然にも殿様が持っていた刀にも鳶の糞が。すぐさま家来が「刀のお代わり」と言って持ってくる。しかし、話はその後…鳶が気になった殿様が空を見上げようとすると、何と今度は殿様の首に糞を落とした。そして家来が「首のお代わり!」というと、殿様は自分の首を切り落とし、首を付け替えまた駕籠に乗っていったという。ここまで変な話を聞かされると、さすがに男は我慢できず、「まさかそげんなことありゃすめえ」と叫んでしてしまい、約束通り男は吉四六にまるまる米一俵持って行かれたのだった。
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