風車と城の廃墟のある川沿いの風景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 13:42 UTC 版)
フランス語: Paysage fluvial avec moulin et château en ruines 英語: River Landscape with a Windmill and a Ruined Castle |
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作者 | ヤン・ファン・ホイエン |
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製作年 | 1644年 |
種類 | キャンバス上に油彩 |
寸法 | 97 cm × 133.5 cm (38 in × 52.6 in) |
所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『風車と城の廃墟のある川沿いの風景』(ふうしゃとしろのはいきょのあるかわぞいのふうけい、仏: Paysage fluvial avec moulin et château en ruines、英: River Landscape with a Windmill and a Ruined Castle)は、17世紀オランダ黄金時代の風景画家ヤン・ファン・ホイエンが1644年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。舟の上に「V.G. 1644.」という画家の署名と制作年が記されている[1]。1786年にフランス国王ルイ16世が王室コレクションのために取得し[2]、1793年の開館時以来[1]、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2]。
作品
ヤン・ファン・ホイエンは、ヤーコプ・ファン・ロイスダールと並んで17世紀オランダの最も重要な風景画家である[2]。19世紀のヨーロッパで、彼の名声は絶大なものであった。ロイスダールが自然への関心を強めた一方、ファン・ホイエンは1630-1635年以降、次第に建築物や水辺を自身の風景画に取り入れるようになった。ファン・ホイエンは、世界の外観を描く方法に加えて、その独特の雰囲気を捉える術を熟知していた[2]。
ファン・ホイエンの初期作品は色彩の多様さ、描かれる人物数の多さを特徴とするが、次第に色調はモノクローム的なものとなり、構図も簡素になった[3]。本作は、画家円熟期の作品中で最も重要な作品の1つである[2]。画面には、実在の場所ではない河口にあるオランダの港が描かれている。左側前景では、釣り舟に乗った漁師が漁網を引き上げるか、下ろすかしている。右側のもう1つの釣り舟はすでに接岸し、漁師たちはいくぶんでこぼこした階段を上がって、獲物や釣り道具を岸辺に立つ家へと運び上げている。その左奥には風車が立ち、背景には堂々たる塔を備えた城の廃墟が見える。作品は、ホイエン独特の大気感に満ちた風景となっている[2]。
脚注
参考文献
- ヴァンサン・ポマレッド 監修・解説『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011年刊行、ISBN 978-4-7993-1048-9
- 『マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝』東京都美術館、神戸市立博物館、朝日新聞社、2012年刊行
外部リンク
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