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鈴木達夫 (弁護士)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 08:46 UTC 版)

鈴木 達夫(すずき たつお、1940年昭和15年〉7月28日[1] - 2020年令和2年〉1月14日[2])は、昭和から平成時代の弁護士労働運動家。元NHK職員、日弁連刑事弁護センター委員。選挙では鈴木たつおの表記も用いる。

経歴

東京都中央区出身[3]。1959年、東京都立新宿高等学校卒業、東京大学理科Ⅰ類入学[4]。フロントの構革派論客だったとされ[5]、1961年に日本共産党東大細胞から離党・除名された[6]。1964年、同大学工学部土木工学科都市計画コース卒業。日本放送協会(NHK)に番組制作担当ディレクターとして入局し、長崎局に赴任。1967年、日本放送労働組合(日放労)長崎分会委員長に就任し、1968年の佐世保エンタープライズ寄港阻止闘争の先頭に立った。同年NHKに東京への配転を命ぜられ、これに反対する百日間闘争の末[4]、日放労執行委員たちと団体交渉を要求したことにより暴力行為等処罰に関する法律違反で現行犯逮捕・起訴され、休職となった[4]。1969年、全国反戦青年委員会代表世話人[7]。1982年に15年間の裁判闘争の末、最高裁で罰金1万円が確定し、「職場秩序を乱した」としてNHKを懲戒免職された。長崎日放労では社青同・主体と変革派の一員だったが、その後中核派になったとされる[8]

1988年、司法試験に合格。第43期司法修習生を経て、1991年、第二東京弁護士会に登録。同弁護士会刑事弁護委員長、日弁連刑事弁護センター委員を歴任、国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)顧問弁護団、法政大学学生弾圧裁判弁護団、星野文昭さん再審弁護団等に参加する[7]

2014年1月、東京都知事選に無所属で立候補[9]。戦争を推進する安倍政権の打倒、原発の即時撤廃、民営化・非正規職化に反対、2020年東京オリンピックの中止、盗聴の拡大・裁判員制度・司法改革に反対、星野文昭救出などを訴え[10]革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)[11]、リチャード・コシミズなどが支持を表明した[12]。1万2684票を獲得、16人中8位で落選した[13]

2014年12月の第47回衆議院議員総選挙東京都第8区から無所属で立候補。1万6981票を獲得、4人中4位で落選した[14][15]。2016年7月の第24回参議院議員通常選挙東京都選挙区から無所属で立候補。1万6187票を獲得、31人中18位で落選した[3][16]。参院選挙では「労働者の力で社会に革命を」というキャッチフレーズを掲げ、伊藤陽平新宿区議によるインタビューでは、労働者を中心とした社会主義を目指していると答えた[17]

2017年7月の東京都議会議員選挙では杉並区から立候補した北島邦彦を推薦した[18]。同年7月、国際連帯共同行動研究所が設立され、代表に就任した(事務局長は鎌田雅志)[19]。同年10月の第48回衆議院議員総選挙では東京都第8区から立候補した齋藤郁真を支持した[20]

2019年に肺がんを患い、2020年1月14日、死去した[2]。79歳没。

著書

  • 『司法改革と治安弾圧』 労働者学習センター
  • 『自民党新憲法草案との対決』 労働者学習センター

分担執筆

  • 足立昌勝監修 『共謀罪と治安管理社会――つながる心に手錠はかけられない』 社会評論社、2005年
  • 未決勾留16年』刊行委員会編著 『未決勾留16年――迎賓館・横田事件の被告は無実だ』 編集工房朔、発売:JRC、2007年

脚注

  1. ^ 鈴木 達夫:立候補者情報:選挙区:東 京:参院選2016 時事ドットコム
  2. ^ a b 鈴木達夫弁護団長逝去”. 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議 (2020年1月14日). 2021年5月24日閲覧。
  3. ^ a b 鈴木達夫(選挙区・東京都)【参議院選挙2016】 読売新聞
  4. ^ a b c 鈴木達夫氏記者会見の起こし 3・14法大弾圧を許さない法大生の会(2014年1月15日)
  5. ^ 川上徹、大窪一志『素描・1960年代』同時代社、2007年、39頁
  6. ^ 陶山健一『反戦派労働運動』刊行に寄せて 革命的左翼と労働組合 元日放労長崎分会委員長鈴木達夫弁護士に聞く 『前進』第2341号(2008年4月28日)
  7. ^ a b 鈴木たつお弁護士を国会へ 政治家と資本家の腐敗を許すな 労働者民衆の新しい政党を 主張・経歴・趣味 『前進』第2748号(2016年5月19日)
  8. ^ 加藤啓、山中幸男「救援連絡センターの五〇年――激動の発足時」『情況』2018年秋号、151頁、山中幸男の発言
  9. ^ 弁護士・鈴木氏が都知事選出馬表明 読売新聞(2014年1月15日)
  10. ^ 闘う弁護士・鈴木たつおさんが東京都知事選に出馬表明! 前進ブログ版(2014年1月15日)
  11. ^ 畠山理仁 【東京都知事選】新聞・テレビが伝えない12人の立候補者に迫る「鈴木達夫」 週プレNEWS(2014年2月3日)
  12. ^ リチャード・コシミズ 都知事選:鈴木たつお候補の池袋応援演説やりました。 旧RKブログ保存版(2014年2月3日)
  13. ^ 東京都知事選挙(平成26年2月9日執行) 開票結果 東京都選挙管理委員会事務局
  14. ^ 鈴木達夫(小選挙区・東京都) : 衆院選2014(衆議院選挙)YOMIURI ONLINE
  15. ^ 2014衆院選 東京8区 鈴木 達夫 毎日新聞
  16. ^ 2016参院選 無東京 鈴木 達夫 毎日新聞
  17. ^ 伊藤陽平 泡沫候補と言われるも、精力的に活動。無所属鈴木たつお編|最年少区議の選挙現場レポート 選挙ドットコム
  18. ^ 推薦します 都政を革新する会
  19. ^ 7・30東京 国際連帯共同行動研究所を設立 世界革命への挑戦 前進ブログ版(2017年8月24日)
  20. ^ 東京8区・斎藤いくま(全学連委員長)を国会へ! 国際連帯共同行動研究所(2017年10月2日)

関連項目




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