野守ノ鏡

隠語大辞典

野守ノ鏡

読み方：のもりのかがみ

1. 野中にある水に影のうつるをいふ。〔新古今〕はし鷹の野守の鏡えてしがな思ひ思はずよそながら見ん。〔拾玉集〕六、宿は荒れて身こそ野守になりぬれど月を鏡と見るぞうれしき。〔夫木抄〕四、為家、春風に－見えぬまでおのれもうつる花は散りつつ。〔袖中抄〕昔雄略天皇と申す帝狩し給ひけるに、御鷹それて見えず、野守を召して問はれけるに、御鷹の有所を申す、いかにしてかく定かには申すぞと、問はせ給ひければ、此野の水に影うつりて侍れば申す由、奏しけるより、野にある水を野守の鏡とは申し伝へたり。

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