血小板の接着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:32 UTC 版)
血管内皮細胞が傷害を受けると、その下にある血管内皮下組織が露出する。内皮下組織は主にコラーゲンでできており、コラーゲンの露出に血小板は反応して血小板は粘着する。コラーゲンとの粘着において仲介的役割を果たすのが、血中や血小板内に存在するヴォン・ヴィレブランド因子である。ヴォン・ヴィレブランド因子はコラーゲンと結合して活性化した上で、血小板上に存在する糖タンパク質の一種であるGPIb/V/IX複合体とも結合する。つまり、ヴォン・ヴィレブランド因子は、コラーゲンと血小板の両方を自己に結合させることによって、血栓形成を促す接着剤のような役割を持つ。さらに、血小板内ではこの結合によって別の糖タンパク質であるGPIIb/IIIa(αIIbβ3インテグリン)が活性化し、ここにフィブリノーゲンが結合する。このフィブリノーゲンは、別の血小板ともGPIIb/IIIaを介して結合し、これが連鎖していく。また、ヴォン・ヴィレブランド因子を介する反応の他に、血小板は直接コラーゲンと結合することもできる。これは血小板のコラーゲン受容体であるGPIa/IIIaとGPVIによって行われる。 このような、血小板やヴォン・ヴィレブランド因子による血栓を、一次止血あるいは血小板血栓と呼ぶ。可逆的であるため、血小板だけの血栓では脆く不安定である。
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