藤井隆 (国文学者)
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| 人物情報 | |
|---|---|
| 生誕 | 1929年9月4日 |
| 死没 | 2020年7月17日(90歳没) |
| 国籍 | |
| 出身校 | 名古屋大学 |
| 学問 | |
| 時代 | 昭和・平成 |
| 研究分野 | 国文学 書誌学 |
| 研究機関 | 愛知大学 帝塚山短期大学 名古屋市立大学 豊橋市美術博物館 |
| 主要な作品 | #著書 |
| 影響を受けた人物 | 久曾神昇 |
| 主な受賞歴 | 豊橋市文化振興賞 |
藤井 隆(ふじい たかし、1929年9月4日 - 2020年7月17日)は、日本の国文学者、書誌研究者。名古屋市立大学名誉教授。
生涯
東京府羽田町に生まれる[1]。1953年に名古屋大学文学部国文科を卒業[2]。
愛知大学副手、助手、講師、帝塚山短期大学助教授、教授、名古屋市立大学教養部助教授、教授。1995年に定年退官、名誉教授。1998年より2005年まで豊橋市美術博物館館長を務める[3]。
1993年、豊橋市文化振興賞を受賞[4]。
業績
藤井の学問は、およそ次の4つに分けて考えることができる[5]。
- 御伽草子の研究
- 卒業論文以来の研究テーマで、藤井は御伽草子の伝本研究を継続的に実行した[5][注 1]。
- 古筆切の研究
- 藤井が生涯の師と仰いだ久曾神昇の研究テーマを受け継いだものであるが、久曾神が主として和歌文学を書写内容とする古筆切に注目したのに対して、藤井は物語の古筆切を研究テーマとして選び、『源氏物語』『狭衣物語』『住吉物語』『平家物語』『宝物集』『風葉集』などに関する貴重な報告や論考を発表した[6]。
- 書誌学研究
- 愛知大学に勤務していた頃に面識を得た長沢規矩也からの影響もあってか、書誌学は藤井が深い関心を寄せてきた分野でもあり、その最大の特徴は研究対象の資料・材料を他人の所蔵品に仰ぐのではなく、藤井自らが集めてその一つ一つを丁寧に観察し、考察を巡らせている点にある[6]。
- 郷土史研究
- 同じく久曾神の先導によるところが大きいが、郷土史家にともすれば見られがちな近視眼的なものではなく、資料ないし史料に即した実証性に富むものである[7]。
著書
単著
- 『日本古典書誌学総説』和泉書院、1991年4月。ISBN 4-87088-472-0。
- 『中世古典の書誌学的研究:御伽草子編』和泉書院〈研究叢書 185〉、1996年5月。 ISBN 4-87088-795-9。
- 『私のあゆんだ道 : 和本ひと筋七十年』和泉書院、2013年12月。 ISBN 978-4-7576-0692-0。
共編著
- 『未刊御伽草子集と研究』第1‐4 編著 未刊国文資料刊行会 1956‐67
- 『校本風葉和歌集』中野荘次共著 友山文庫 1970
- 『物語和歌総覧』久曽神昇,樋口芳麻呂共編 風間書房 1974-76
- 『国文学古筆切入門』田中登共著 和泉書院 1985
- 寿命院宗巴『徒然草寿命院抄 伝中院通勝筆本』編 古典文庫 1987
- 『御伽草子新集』編 和泉書院 1988
- 『続・国文学古筆切入門』田中登共著 和泉書院 1989
- 『続々・国文学古筆切入門』田中登共著 和泉書院 1992
- 『穂久邇文庫蔵太平記(竹中本)と研究』藤井里子共著 編著未刊国文資料刊行会 1989‐93
- 『御伽草子研究叢書』全9巻 編 クレス出版 2003
- 『近世三河・尾張文化人蔵書目録』全8巻 監修・編集 ゆまに書房 2005 書誌書目シリーズ
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『現代日本人名録』2002
- 『私のあゆんだ道:和本ひと筋七十年』和泉書院、2013年12月。 ISBN 978-4-7576-0692-0。
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