胸腺外分化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:33 UTC 版)
T細胞の分化には胸腺が大きな役割を果たすが、一部のT細胞は胸腺外で分化する。マウスでの研究によると、胎生早期においては最初にVδ1 TCRを持つγδT細胞が現れる。この細胞は胸腺において分化し、皮膚や生殖器の上皮にホーミングする。一方で出生後に出現し肝臓に存在するγδT細胞は、肝臓中のT細胞のうち25%程度を占め、そのほとんどが胸腺外で分化する。また、上述の腸管上皮内リンパ球として存在するγδT細胞も胸腺外分化である。この腸管内γδT細胞はIL-7依存性に形成されるクリプトパッチと呼ばれる腸粘膜内のリンパ球集団から供給されていると考えられている。また、肺にも胸腺外分化γδT細胞が存在する。 ただし、αβT細胞も肝臓や腸管に胸腺外分化による細胞が一部存在することに留意する必要がある。
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