聖母戴冠 (ロレンツォ・モナコ)とは? わかりやすく解説

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聖母戴冠 (ロレンツォ・モナコ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/30 08:31 UTC 版)

『聖母戴冠』
イタリア語: Incoronazione della Vergine
作者 ロレンツォ・モナコ
製作年 1414年
寸法 506 cm × 447.5 cm (199 in × 176.2 in)
所蔵 ウフィツィ美術館フィレンツェ

聖母戴冠』(せいぼたいかん、伊: Incoronazione della Vergine) は、イタリアの後期ゴシックの画家ロレンツォ・モナコによる、板にテンペラで描かれた多翼祭壇画であり、聖母戴冠の主題を中心に据えている。かつては、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリのカマルドリ会修道院にあったが、現在はフィレンツェウフィツィ美術館に収蔵されている。1413年2月の制作で、フィレンツェの暦(3月に始まった)では、1414年になる。

歴史

絵画は、15世紀初頭にアントニオ・ビッリによって言及されている。

16世紀後半に、絵画はアレッサンドロ・アッローリによる大きなカンヴァスの祭壇画に置き換えられた。『聖母戴冠』は19世紀に再発見され、サン・ピエトロ・アセレートのカマルドリ会修道院に悪い保存状態で収蔵されていたが、 1872年に絵画は額縁中に復元された。 1990年に、絵具の塗られた部分には貴重で、当時は高価だったラピスラズリが含まれていることが判明した。

概要

作品は、金色の彫刻が施された巨大な額縁に収められており、突き出た持ち送りに覆いのある3つの尖頭が置かれている。三つのアーチは、野菜のモチーフで飾られている。それらの上には3つの板絵(上部の額縁が失われている)があり、左から、受胎告知の天使、智天使の間の祝福するキリスト、そして受胎告知の絵画が描かれている。側面には、預言者が描かれた、端にねじれた柱がある2つの支柱がある。下部には裾絵 (プレデッラ) があり、聖ベネディクトクレルヴォーの聖ベルナルドゥスの生涯のエピソードを表した6点の小さな絵画がある。

三つのアーチ内の中央の絵画は、天国に設定された聖母戴冠(青い星の帯でほのめかされている)を表している。側面には二列の聖人がおり、キリスト聖母の玉座の後ろには多数の天使がいる。

構図は混み入ったたものとなっているが、他のジョット風の絵画と同様に遠近法が欠けている。金地の背景は、ロレンツォの典型的な様式である。ルネサンスが花開きかけていた時代でありながら、精神主義を維持して、反自然主義の後期ゴシックの様式を保持している[1]

脚注

  1. ^ ウフィツィ美術館、みすず書房、1994年刊行、ISBN 4-622-02709-7 [要ページ番号]



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