聖母子 (ルイーニ、カポディモンテ美術館)とは? わかりやすく解説

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聖母子 (ルイーニ、カポディモンテ美術館)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 01:14 UTC 版)

『聖母子』
イタリア語: Madonna col Bambino
英語: Madonna and Child
作者 ベルナルディーノ・ルイーニ
製作年 1510-1520年
種類 板上に油彩
寸法 85 cm × 65.5 cm (33 in × 25.8 in)
所蔵 カポディモンテ美術館ナポリ

聖母子』(せいぼし、: Madonna col Bambino: Madonna and Child)は、イタリアルネサンス期の画家ベルナルディーノ・ルイーニが1510-1520年に板上に油彩で描いた絵画である。ボルゲーゼ家のコレクションに由来し、その質の高さから、19世紀初頭の作品目録ではレオナルド・ダ・ヴィンチの作品であると見なされた[1]ナポレオン戦争中の1799年に、所蔵されていたナポリカポディモンテ美術館からフランス軍により略奪されたが、後に美術館に戻ってきた。作品は、1822年にベルナルディーノ・ルイーニに帰属し直された[1]

作品

ベルナルディーノ・ルイーニ『オッジョーニの聖母』 (1516年ごろ)、スフォルツェスコ城美術館ミラノ

ルイーニの傑作の1つと見なされる本作は、レオナルドの強い影響を見せている点で重要な作品である[1]聖母マリアの卵型の顔には、レオナルド風のスフマート (ぼかし) の技法で陰影が施されている。控え目に視線を落とす彼女の額には、ヴェールがまっすぐ下ろされている。聖母の顔立ちと透明なヴェールの描写は、ナショナル・ギャラリー (ロンドン) にあるレオナルドの『聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ』に着想を得た可能性がある[1]

聖母の左脚には、幼子イエス・キリストが左足を載せて立つ。画面右側の暗い背景には、聖母の純潔を象徴する白ユリの花[2]が浮かび上がっている[1]。構図の点で、本作の原型は、ミラノスフォルツェスコ城美術館ロンドンウォレス・コレクションに所蔵されている『聖母子』であることがわかる[1]

本作にもとづくルイーニ自身による複製が2点制作された。現在、その1点はディジョン美術館に、もう1点はクリーブランドのプレンティス・コレクションに所蔵されている。さらに19世紀にいたるまで、数多くの模写作品が制作された。また、本作は1824年に版画化もされている[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g ナポリ宮廷と美 カポディモンテ美術館展-ルネサンスからバロックまで-、2010年、56頁。
  2. ^ 国立プラド美術館 2009, p. 232.

参考文献




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