聖マタイと天使 (レーニ)とは? わかりやすく解説

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聖マタイと天使 (レーニ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/28 16:49 UTC 版)

『聖マタイと天使』
イタリア語: San Matteo e l'angelo
英語: St Matthew and the Angel
作者 グイド・レーニ
製作年 1635-1640年ごろ
種類 キャンバス上に油彩
寸法 79 cm × 66 cm (31 in × 26 in)
所蔵 ヴァチカン美術館ローマ

聖マタイと天使』(せいマタイとてんし、: San Matteo e l'angelo: St Matthew and the Angel)は、17世紀イタリアバロック期のボローニャ派の巨匠グイド・レーニが1635-1640年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。福音書記者の1人である聖マタイ天使に助けられ、「マタイによる福音書」を執筆している姿が表されている。1924年にナポリのアントニオ・カステッラーノ (Antonio Castellano) から聖座 (教皇庁) に贈られ[1]、現在、ヴァチカン美術館 (絵画館) に所蔵されている[1][2][3]

作品

この絵画は聖座に贈られた後、長い間、ローマのサンタ・マリア・コンチェツィオーネ・デイ・カップッチーニ教会英語版に掛けられていた。ちなみに、1955年から2010年までは、レーニではなくルチオ・マッサーリ英語版に誤って帰属されていた[1]。しかし、絵画の裏側にあった1642年の記録が見つかったことにより、この帰属は訂正され、現在、ヴァチカン美術館 (絵画館XII室[1]) に展示されている[4]

グイド・レーニ『聖マタイと天使』 (1630年代)、ボブ・ジョーンズ大学 (サウス・カロライナ州)

マタイは徴税の仕事をしていたが、イエス・キリストに選ばれて使徒となった。「マタイによる福音書」はイエスに関する記述の詳しさから、彼を実際に知ることのできたマタイ本人が執筆したと考えられる。マタイが福音書を執筆する場面が描かれるときは、天使が付き添う[2]。本作では、年老いたマタイが天使に霊感を受けているようにみえる。天使は口にされた言葉ではなく、眼差しで福音書の文を伝えているようであるが、手の仕草は話していることを示唆する。マタイは、羽根ペンで彼の書物の空白のページに書き記している[3]

米国サウス・カロライナ州グリーンヴィルにあるボブ・ジョーンズ大学の美術コレクションには、『聖マタイと天使』のオリジナル作品がある[3]。このオリジナル作品は数人の個人収集家の目に留まり、同じ作品を欲した彼らのためにレーニは自ら数々の複製を制作した。本作はそのうちの1点である。オリジナル作品に比べると、本作には厚塗りの技法とより暗い色調が見られ、レーニのより遅い時期の作品の特徴を示している[3]

脚注

  1. ^ a b c d San Matteo e l'angelo”. ヴァチカン美術館公式サイト (イタリア語). 2024年12月10日閲覧。
  2. ^ a b 「聖書」と「神話」の象徴図鑑 2011年、146頁。
  3. ^ a b c d St Matthew and the Angel by Guido Reni”. Jen Smithサイト (英語). 2024年12月10日閲覧。
  4. ^ Guido Reni retrovato”. 2024年12月10日閲覧。

参考文献

外部リンク




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