耳嚢とは? わかりやすく解説

耳嚢

(耳袋 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/21 08:07 UTC 版)

耳嚢(みみぶくろ)は、江戸時代中期から後期にかけての旗本南町奉行根岸鎮衛が、佐渡奉行時代(1784-87)に筆を起こし、死の前年の文化11年(1814)まで、約30年にわたって書きためた全10巻の雑話集。公務の暇に書きとめた来訪者や古老の興味深い話を編集したもので、さまざまな怪談奇譚や武士や庶民の逸事などが多数収録されている[1]耳袋とも表記される。


  1. ^ 無断出版については千坂廉斎がその随筆に式亭三馬が犯人ではないかとの臆測を記したことがあるが、森銑三によって「根もない浮説」と否定されている[5]。勝海舟は談話の中で「根岸肥前守の小姓を勤めていた13歳の滝沢馬琴が『耳嚢』を読みたいという肥前守の縁者(児島春庵)のところに原稿を持っていく使いを任されたところ、道中に読んで全文を記憶し、約10年後にその内容を公にした」という情報を伝えている[6]
  2. ^ 柳田による解題新版は『柳田國男集 幽冥談』(東雅夫編、ちくま文庫、2007年)に収録。なお単行初版は『老読書歴』に収録。
  3. ^ 注記:本文は底本『日本庶民生活資料集成』巻16(三一書房刊)所収の10巻本により作成[9]
  1. ^ 旗本御家人 - 25. 耳嚢(みみぶくろ)”. www.archives.go.jp. 国立公文書館. 2020年2月21日閲覧。
  2. ^ a b 根岸鎮衛・長谷川強校注 1991, pp. 421-434(上).
  3. ^ a b 国文学研究資料館調査研究報告』第9号、長谷川強「(翻刻)旧三井文庫『耳嚢』(巻一)」、P.181、1988年。第10号、長谷川強「(翻刻)旧三井文庫『耳嚢』(巻之二)」、P.55、1989年。
  4. ^ 根岸鎮衛・長谷川強校注 2000, p. 499.
  5. ^ 根岸鎮衛・長谷川強校注 2000, p. 507.
  6. ^ 関如来(編)『当世名家蓄音機』文禄堂、1900年、31頁。 
  7. ^ 根岸鎮衛・長谷川強校注 2000, p. 505.
  8. ^ 『集古随筆 : 四大奇書』、魁真楼、1899年(明治32年)。国立国会図書館デジタルコレクション、doi:10.11501/898501、コマ番号107–。
  9. ^ 耳袋 / 根岸鎮衛著 ; 鈴木棠三編注. -- 1 ; 2. -- 東京 : 平凡社 , 1972.3-1972.4. -- 2冊 : 挿図 ; 18cm. -- (東洋文庫 ; 207,208)”. 国立情報学研究所. 2020年10月27日閲覧。
  10. ^ 根岸鎮衛、鈴木棠三 『耳袋』〈平凡社ライブラリー〉、2000年、NCID BA46647171


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