翁の文
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『翁の文』(おきなのふみ)は、江戸時代中期の大坂の思想家である富永仲基の著書。名前も分からない翁からの聞き書きを全編引用し、仲基の感想をはさむという形・趣向になっているが[1][2]、序以外の本文全16節は仲基が和文体で書いたもので、延享3年(1746年)に大坂で刊行された[3][4]。全1巻[4]。『翁の文』に関する江戸時代の学者による言及はほぼ無い[5]。
儒教・仏教・神道を唱えて争う当代の学者を否定し、各国はそれぞれの国情に応じた教えを奉じるべきだとする。日本においては「誠の道」を道とすべきだとするが、これは儒教の実践道徳に近いものと考えられる。
翻刻として石浜純太郎・水田紀久・大庭脩校注「翁の文」『日本古典文學大系 97 近世思想家文集』所収[6]他があり[2]、現代語訳として中央公論社刊『日本の名著 18』所収の楢林忠男訳がある[7]。
脚注
- ^ 楢林忠男「補注 富永仲基 翁の文 六〇 (2)」『日本の名著 18』、383頁。2025年7月27日閲覧。
- ^ a b 水田紀久「翁の文」『日本古典文学大事典 1』岩波書店、1983年、471頁。国立国会図書館デジタルコレクション。2025年7月27日閲覧。
- ^ 三枝博音「『翁の文』解題」『日本哲学思想全書 8』平凡社、1955年、129-130頁。国立国会図書館デジタルコレクション。2025年7月28日閲覧。
- ^ a b 水田紀久「翁の文」『世界大百科事典』(改訂新版)平凡社。コトバンク。2025年7月27日閲覧。
- ^ 加藤周一「江戸思想の可能性と現実」『日本の名著 18』、16頁、25頁。2025年7月28日閲覧。
- ^ 『日本古典文学大系 97 近世思想家文集』。「書誌情報」国立国会図書館デジタルコレクション。2025年7月27日「書誌情報」を閲覧。
- ^ 楢林忠男 訳「翁の文」『日本の名著 18』、53-71頁。2025年7月27日閲覧。
参考文献
- 加藤周一 編『日本の名著 18 富永仲基・石田梅岩』中央公論社、1972年。doi:10.11501/12405405。
外部リンク
- 内藤湖南「大阪の町人學者富永仲基」 - 青空文庫
- 翁の文のページへのリンク