符号の規約
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/20 17:00 UTC 版)
物理学において、ある量の集合についてそれぞれ正か負かの符号を任意に選択できる場合があり、このときの符号の付け方を符号の規約(ふごうのきやく, 英: sign convention)という。ここでいう「任意」とは、この符号について異なる規約を(一貫して)用いたとしても、同一の物理系として正確に記述されるという意味である。このため符号選択は(論文や書籍の)著者によって様々であり、しばしば科学研究における混乱や不満、誤解や過誤の源となっている。一般に、符号の規約は1つの次元についての座標系の選択の、特別な場合である。
また「符号の規約」の用語は、虚数単位 i や 2π の因子を含む、より広い意味で用いられることもある。
相対論
計量符号
相対性理論において、計量符号は (+,−,−,−) か (−,+,+,+) のいずれかである。[注釈 1]それぞれ diag(+1,−1,−1,−1), diag(−1,+1,+1,+1) の計量テンソルに対応する。より高次元の相対性理論においても同様である: (+,−,−,−,…) と (−,+,+,+,…).
この符号の規約には幾つかの呼び名がある:
- (+,−,−,−)
- 時間的規約
- 粒子物理学の規約[注釈 2]
- 西海岸規約
- ほとんど負
- ランダウ・リフシッツの規約
- (−,+,+,+)
幾つかの著名な院生向けテキストにおける使用例:
- (+,−,−,−)
- ランダウ・リフシッツの『理論物理学教程』
- Louis Witten 監の Gravitation: An Introduction to Current Research
- Ray D'Inverno の Introducing Einstein's Relativity
- (−,+,+,+)
関係式 | (+,−,...,−) | (−,+,...,+) |
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4元運動量の成分表示 |
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