短距離での自然再生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/02/07 01:02 UTC 版)
「人工神経 (再生医療)」の記事における「短距離での自然再生」の解説
神経組織には方向性がある。神経細胞からの太さ1mm程度の軸索が、長ければ1m強ほど伸びており、切断された時点から中枢側の神経細胞断端が延伸を開始する。同時に末梢側では、本体細胞を失った軸索断端と共に髄鞘も分解されてゆく。また同時にシュワン細胞と呼ばれる普段は神経軸索を覆って髄鞘を形作っている細胞が活発に増殖・移動して、もとあった神経経路に沿って一列に並ぶ。このように中枢側の神経細胞から細く伸びた軸索が容易に延伸出来るように、シュワン細胞が一列になって準備することを「ワーラー変性」と呼ぶ。この時、局所的には中枢側断端近くからもワーラー変性が起こっていて、「逆行性変性」と呼ばれる。中枢側からの軸索がワーラー変性によって構築された通路を伸びてゆき、末梢側断端を越えて既にあったシュワン管を伸びてゆきやがて臓器や筋肉に到達して再生プロセスが完了する。 切断された神経を縫合することで、このような自然再生のプロセスが行なわれ神経が再接続される。
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