相生橋
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相生橋(あいおいばし)は、広島県広島市中心部を流れる本川(旧太田川)と元安川の分岐点に架かる、相生通りと広島電鉄が通る併用橋。全国的にも珍しいT字型の橋である。
注釈
- ^ 明治初期、土木事業は民部省の許可を受けて県の直轄工事で行われたが限界があったため、明治4年12月(1872年)民間が工事しその通行料を徴収できる、つまり民間による賃取工事が許可された[14]。
- ^ 1932年の道路・軌道併用橋が架橋してすぐの旧橋図面・現場写真には木橋の相生橋が写っている。
- ^ 旧橋図面・現場写真において、図面では橋平面図の中間部分に道路分岐があり、現場写真には慈仙寺鼻を結ぶ地点に仮の欄干が据え付けられていることから、計画段階からH型(T型)橋として構想していたことがわかる。
- ^ 橋上で被爆したあと他の人を救護していたが翌8月7日絶命した人物もいる[31]。人影の石の現象から原爆による熱線で人体が蒸発したという風説が存在する[32]が、広島市公式の原爆戦災誌 1971にはこの橋上でその現象が起きたと記載されていない。米国戦略爆撃調査団の報告書では「地上ゼロ地点に近い地域では熱は死体を原形にとどめぬほどに炭化させた」[26]のみ。
- ^ 1977年から1999年まで当時建設省は周辺の護岸整備工事を行ったが、河床や護岸から遺骨は発見されていない[36]。当時浮かんでいた死体はほぼ引き上げられて火葬され、その遺骨は無縁仏として原爆供養塔に納めていた可能性が高いため、河原で遺骨が発見されていないと考えられている[36]。
- ^ 李鍝を取り扱う資料では、福屋付近で被爆し馬で相生橋まで、その後自力で本川橋まで辿り着いて倒れた、と書かれている。ただ、多くの被爆者の証言から作られた広島市公式の原爆戦災誌 1971では、被爆後の相生通りは瓦礫が散乱し通行困難な状況であったと証言があるのに対し、戦災誌中の李に関する記載には被爆場所について明記されていない。そのため当記事においてはソースとして戦災誌をまず採用し、被爆場所のみ一般的な福屋を採用した。
- ^ 他にも、爆発に伴い爆心が真空状態となり吸引力が発生したとも推測された[21]が、現在は川面反射説で統一されている。
- ^ 変形した旧橋の桁の一部は現在広島平和記念資料館に保存されている[48]。
- ^ 当時の相生橋のRC床版の主鉄筋は橋軸方向(主桁に対して並行)に配置されており、橋軸直角方向の鉄筋が配力鉄筋だった[21]。
出典
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- ^ “ヒロシマの記録1981 12月”. ヒロシマピースメディア. 2020年4月20日閲覧。
- 1 相生橋とは
- 2 相生橋の概要
- 3 概要
- 4 親柱/橋碑/欄干
- 5 周辺
固有名詞の分類
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