百花繚乱 (幾田りらの曲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2025/05/11 05:27 UTC 版)
| 「百花繚乱」 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 幾田りら の シングル | ||||
| B面 | DREAMER | |||
| リリース | ||||
| 規格 | ||||
| ジャンル | J-POP（アニメソング） | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | ソニー・ミュージックエンタテインメント | |||
| 作詞・作曲 | 幾田りら | |||
| チャート最高順位 | ||||
| 後述を参照 | ||||
| 幾田りら シングル 年表 | ||||
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「百花繚乱」（ひゃっかりょうらん、英題: In Bloom[1][2]）は、日本のシンガーソングライターである幾田りらの楽曲。日本テレビ系アニメ『薬屋のひとりごと』の第2期第1クールオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲で、幾田のソロ名義で初めてテレビアニメ作品のオープニングテーマに採用された楽曲となった[3]。
アニメの放送が開始された2025年1月10日に配信シングルとして発売され[4]、3月19日にCDシングルとして発売された[5]。オリコン週間シングルランキングでは最高位11位、Billboard Japan Hot 100では最高位25位を記録した。
背景とリリース
2024年12月10日、2025年1月10日から放送開始となる日本テレビ系アニメ『薬屋のひとりごと』の第2期第1クールオープニングテーマが「百花繚乱」に決定したことが発表された[6][7]。発表に際して、幾田は第1期の反響を肌で感じていたので、第2期のオープニングテーマを担当させていただけることになり、とても光栄です
と述べた[7]。同日にはアニメ『薬屋のひとりごと』のプロモーション・ビデオがYouTube上で公開され、本作の一部が使用された[7]。
| 映像外部リンク | |
|---|---|
 『薬屋のひとりごと』第２期ノンクレジットオープニング | 幾田りら「百花繚乱」 - YouTube |
アニメの放送が開始された1月10日に配信シングルとして発売され[8]、同日18時に本作を使用したアニメのノンクレジットオープニング映像がYouTube上でプレミア公開された[9]。同映像は公開から2日で100万回を超える再生回数を記録した[10]。
3月10日にCDシングルとしても発売され、カップリング曲としてフジテレビ系水曜ドラマ『パリピ孔明』の劇中歌として書き下ろした「DREAMER」のセルフカバーが収録された[11]。CDシングルは完全生産限定盤、初回生産限定盤、通常盤の3形態で発売され、完全生産限定盤にはアニメ『薬屋のひとりごと』の書き下ろしイラストを使用したデジパックを封入した薬棚仕様のパッケージで、前述のアニメのノンクレジットオープニング映像を収録したBlu-rayが付属し、初回生産限定盤には2023年7月に開催された「1st ワンマンツアー 『SKETCH』」から神奈川公演の映像を収録したBlu-rayが付属した[12]。
制作
幾田は、楽曲について私自身が「薬屋のひとりごと」にどんどんのめり込んでいったわくわく感、物語やキャラクターたちへの愛を楽曲に落とし込みながら、作品世界に新しい風を吹き込めるような楽曲をお届けしたいという緊張感を持ち制作をさせていただきました
と語っている[7]。
幾田は曲づくりに際して、原作となる小説やコミックス、アニメのすべてに目を通し、自身の想いの丈を書き込んだ後、作品の主人公である猫猫と自身の共通点を書き出していき、そこからまとめ上げた[13]。猫猫と自身の共通点について、幾田は猫猫は、壬氏様や後宮の人々と出会い、関わりを持っていくことで、新しい景色が見えるようになっていくんですけど、私自身も、5年前にYOASOBIが始まり、自分ひとりで作詞作曲をしてきた人生が変化したんです。Ayaseさんをはじめとした、いろんな人たちとのコミュニケーションの中で。新しく見えてきた世界があるので、そこは共通しているところなのかなと思います
と語っている[13]。アニメ側からは猫猫の気まぐれで楽しそうな雰囲気を楽曲に落とし込んでほしい
という要望があり、幾田はオープニングということもあって、新しい風を感じてもらえるようなワクワクする感じと、作品のミステリアスなニュアンスをバランス良く入れ込むことで、今の楽曲にたどり着いたと思っています
と語っている[13]。
『Real Sound』の取材で、聞き手の徳田要太から曲の冒頭に入っている「ゆらゆらり はらはらり」などの一節の語感が印象的だと言われ、幾田は後宮という、すごくきらびやかで華やかな世界の中で、いろいろな人の物語が折り重なっていくストーリーなので、それを花に例えて、咲いて散っていく様子などにすごく結びついた情景が浮かんできて。それが「ゆらゆらり」だったり「はらはらり」だったり、そういう音になってメロディと一緒に降りてきたところから出来上がっています
と語っている[14]。
曲の構成については幾田が自ら考えていて、制作当初から歌始まりでいくということが決められていた[13]。曲のアレンジは編曲を手がけたKOHDとのやりとりで決められ、間奏のギターソロはKOHD、後半部分に入っているピアノのフレーズは幾田の提案[13]。
プロモーション
2025年3月7日、YouTube上で「百花繚乱」のミュージック・ビデオがプレミア公開された[15]。監督は本作のジャケットアートワークも手がけた蜷川実花が務め、撮影は当時開催された蜷川の個展「蜷川実花展 with EiM : 彼岸の光、此岸の影」の会場で行われた[16]。
3月8日に放送された日本テレビ系『with MUSIC』でテレビ初披露となった[17]。同番組ではテレビアニメ『薬屋のひとりごと』のオープニング映像と蜷川の個展会場で撮影された映像を使用した演出が採用された[18]。
評価
ライターのかなざわまゆは、歌詞は元・薬師で薬と毒に目がない主人公が後宮で妃の毒見役となり、次々に現れる謎を解明していくアニメのストーリーそのもの。冒頭の〈ゆらゆらり〉〈はらはらり〉のような中毒性があるメロディが顔を覗かせつつも、ブロックごとに摩訶不思議な展開を見せていく様子が、ミステリー要素の高い作品とマッチしている
と評した[19]。
音楽ライターの長瀬昇は、音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』（2025年3月号）で速めのBPMに乗せめくるめく展開していくアレンジにより、曲名通りカラフルで華やかな印象を受ける。その一方、イントロとアウトロを省略する作法は通常運転としても、間奏も最小限、さらにはメロディの種類も絞り込むことで、3分足らずを駆け抜ける構成となっている
自分の表現として、あるいはタイアップとして、必要不可欠な情報だけを抽出し、それ以外を排すること。それにより、圧倒的な即効性と中毒性が両立したこの極めて純度の高いポップソングが成り立っている。今日におけるポップの完成形、その核心に向け、作品を重ねる度に薄皮がめくられていくかのようだ
と評した[20]。
受賞歴
| 年 | 賞 | カテゴリ | 結果 | 注 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | TikTok主催 ファンがアツい、アニメ・マンガ大賞 | 主題歌部門大賞 | 受賞 | [21] |
シングル収録曲
| # | タイトル | 作詞・作曲 | 編曲 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1. | 「百花繚乱」 | 幾田りら | KOHD | |
|
合計時間:
|
||||
| 全作詞・作曲: 幾田りら。 | |||
| # | タイトル | 編曲 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 1. | 「百花繚乱」 | KOHD | |
| 2. | 「DREAMER」 | 福島章嗣 | |
| 3. | 「百花繚乱 -Anime Edit-」 | ||
| 4. | 「百花繚乱 -Instrumental-」 | KOHD | |
| 5. | 「DREAMER -Instrumental-」 | 福島章嗣 | |
|
合計時間:
|
|||
| # | タイトル |
|---|---|
| 1. | 「スパークル」 |
| 2. | 「サークル」 |
| 3. | 「おもかげ」 |
| 4. | 「吉祥寺」 |
| 5. | 「Midnight Talk」 |
| 6. | 「レンズ」 |
| 7. | 「蒲公英」 |
| 8. | 「線香花火」 |
| 9. | 「宝石」 |
| 10. | 「ロマンスの約束」 |
| 11. | 「ヒカリ」 |
| 12. | 「Free Free Free」 |
| 13. | 「JUMP」 |
| 14. | 「Answer」 |
| EN. | 「P.S.」 |
| # | タイトル |
|---|---|
| 1. | 「TVアニメ「薬屋のひとりごと」第2期 第1クールオープニングテーマ「百花繚乱」ノンクレジット映像」 |
チャート成績
| チャート (2025年) | 最高位 |
|---|---|
| 日本 (Japan Hot 100)[22] | 25 |
| Japan Hot Animation (Billboard JAPAN)[23] | 25 |
| 日本 (オリコン)[24] | 11 |
| 日本 (オリコン合算シングル)[25] | 19 |
| 日本 (オリコンアニメシングル)[26] | 5 |
発売日一覧
| 国/地域 | 発売日 | 規格 | 規格品番 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 全国 | 2025年1月10日 | 音楽配信 | N/A | |
| 日本 | 2025年3月19日 | CD+Blu-ray | XSCL-103/4 | 初回生産限定盤 |
| CD | XSCL-105 | 通常盤 | ||
| CD+Blu-ray+特製BOX | XSCL-106/7 | 完全生産限定盤 パッケージはアニメ『薬屋のひとりごと』の描き下ろしイラストのデジパックを封入した薬棚仕様 |
脚注
出典
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年1月6日). "Lilas's "In Bloom(百花繚乱)", the opening theme for the second season of the TV anime "The Apothecary Diaries", will be released for distribution on 1/10 (Fri.)". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ “In Bloom - Single - Album by Lilas”. Apple Music. Apple. 2025年4月19日閲覧。
- ^ 「幾田りら、新曲“百花繚乱”をTVアニメ「薬屋のひとりごと」OPテーマに書き下ろし。ソロ初のTVアニメOP。楽曲の一部使用したPVも公開」『TOWER RECORDS ONLINE』タワーレコード、2024年12月10日。2024年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月16日閲覧。
- ^ 「幾田りら、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期OP曲「百花繚乱」配信決定」『OTOTOY』オトトイ、2025年1月5日。2025年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月16日閲覧。
- ^ 「「百花繚乱」（TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期オープニングテーマ）のCDリリースが決定！＜仕様3形態＞ 初回生産限定盤Blu-rayには、自身初のツアー神奈川公演を収録。 さらに、TikTok企画『薬屋のひとりごと』×幾田りら「百花繚乱」再投稿キャンペーンもスタート！」『幾田りら オフィシャルサイト』ソニー・ミュージックエンタテインメント、2025年2月14日。2025年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月16日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2024年12月10日). "1/10(金)より放送開始 TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期オープニングテーマが、幾田りら新曲「百花繚乱」に決定". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ a b c d 音楽ナタリー編集部「幾田りらがアニメ「薬屋のひとりごと」OP曲として新曲「百花繚乱」書き下ろし（コメントあり / 動画あり）」『音楽ナタリー』ナターシャ、2024年12月10日。2024年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年1月9日). "幾田りら 新曲「百花繚乱」今夜0時より、配信リリース". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ 「幾田りら、本日1/10放送開始のTVアニメ"薬屋のひとりごと"第2期OPテーマ「百花繚乱」配信リリース。18時よりアニメ・ノンクレOP映像プレミア公開」『Skream!』激ロックエンタテインメント、2025年1月10日。2025年4月19日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年1月12日). "TVアニメ『薬屋のひとりごと』第２期オープニングテーマ 幾田りら「百花繚乱」ノンクレジット映像 1,000,000回再生突破". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年3月19日). "本日3/19(水) 幾田りら シングルCD『百花繚乱』発売". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ 「幾田りら、TVアニメ"薬屋のひとりごと"第2期OPテーマ「百花繚乱」CDリリース決定。ジャケット公開」『Skream!』激ロックエンタテインメント、2025年2月14日。2025年4月19日閲覧。
- ^ a b c d e 塚越淳一（インタビュー）「冬アニメ『薬屋のひとりごと』第2期OPテーマを歌う幾田りらインタビュー」『アニメイトタイムズ』、アニメイト、2025年1月18日。オリジナルの2025年1月19日時点におけるアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 徳田要太（インタビュアー：徳田要太）「幾田りら、“未知の場所”で歩んだキャリアを振り返る 『薬屋のひとりごと』との共通点」『リアルサウンド 映画部』、blueprint、2025年1月11日。オリジナルの20225-01-14時点におけるアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年3月7日). "幾田りら「百花繚乱」MusicVideo YouTubeプレミア公開ありがとうございました". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ 音楽ナタリー編集部「幾田りら新MV今夜公開、監督・蜷川実花が豪華な空間演出で“百花繚乱”表現」『音楽ナタリー』ナターシャ、2025年3月7日。2025年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 幾田りらスタッフ [@lilastaff_] (2025年3月8日). "日テレ #withMUSIC 幾田りら「百花繚乱」TV初披露でした". X（旧Twitter）より2025年4月19日閲覧。
- ^ 『幾田りら 新曲「百花繚乱」のMVが、本日3/7(金)22時にYouTube公開決定！写真家・映画監督 蜷川実花が開催する個展にて全編撮影を行った、スペシャルコラボレーション映像！』（プレスリリース）The Orchard Japan、2025年3月7日。オリジナルの2025年3月7日時点におけるアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ かなざわまゆ「幾田りら、ポルカドットスティングレイ、SHISHAMO……アニメソングで発揮する個性」『Real Sound』blueprint、2025年1月21日。2025年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 長瀬昇「ポップはこうしてやるの-『百花繚乱』幾田りら」『ROCKIN'ON JAPAN』第39巻第3号、ロッキング・オン、2025年1月30日、233頁、ASIN B00S9X6GLM。
- ^ 「幾田りらが歌う「百花繚乱」、TikTok主催「ファンがアツい、アニメ・マンガ大賞」で主題歌部門大賞受賞＜薬屋のひとりごと＞」『WEBザテレビジョン』KADOKAWA、2025年5月9日。2025年5月11日閲覧。
- ^ 「Billboard Japan Hot 100」『Billboard JAPAN』阪神コンテンツリンク、2025年3月26日。2025年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 「Billboard Japan Hot Animation」『Billboard JAPAN』阪神コンテンツリンク、2025年1月22日。2025年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 百花繚乱 | 幾田りら ORICON NEWS. oricon ME. 2025年4月19日閲覧。
- ^ 「オリコン週間 合算シングルランキング 2025年03月17日～2025年03月23日 11～20位」『ORICON NEWS』oricon ME、2025年3月27日。2025年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
- ^ 「オリコン週間 アニメシングルランキング 2025年03月17日～2025年03月23日」『ORICON NEWS』oricon ME。2025年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月19日閲覧。
外部リンク
- 百花繚乱_(幾田りらの曲)のページへのリンク
