異聞集 (陳翰)とは? わかりやすく解説

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異聞集 (陳翰)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 07:45 UTC 版)

異聞集(いぶんしゅう)』は、晩唐陳翰(ちんかん)が唐代の代表的伝奇作品を集めて編んだ撰集。全10巻。


  1. ^ 程毅中『古小説簡目』附録二「『異聞集』考」、中華書局、1981年。
  2. ^ 『新唐書』志第49芸文3小説類。
  3. ^ 王夢鷗『陳翰異聞集校補考釋』(唐人小説研究二集)、藝文印書舘、中華民國62年。
  4. ^ 王前掲書。
  5. ^ 前掲『新唐書』芸文志、『崇文総目』巻28、『郡斎読書志』巻13小説類、『直斎書録解題』巻11小説家類、『遂初堂書目』小説類。
  6. ^ 巻215(経籍考42)。
  7. ^ 志第159芸文5。なお、同書は撰者を陳に誤り、一方で『卓異記』の撰者を陳翰として李翺と誤っている。
  8. ^ 王前掲書。
  9. ^ 王前掲書。
  10. ^ 前掲読書志(原文は「以伝記所載唐朝奇怪事、類為一書」)。なお、大枠として「伝」は人物の事績に就いて、「記」は事物事象の沿革に就いて述べたものを指し、前者は多く人名を冠して「○○伝」とし後者は事物名を冠して「○○記」とする。
  11. ^ 前掲王書、程書。黒田真美子「唐代伝奇について」『枕中記・李娃伝・鶯鶯伝他』(中国古典小説選5)所収、明治書院、2006年。李劍國『唐五代志怪傳奇叙録』(第2刷)「異聞集」(下冊第3巻)、南開大學出版社、1998年。
  12. ^ 韋瓘カ『周秦行紀』(『広記』巻489雑伝記6)等にその例が見える。
  13. ^ 前掲王書。沈既済の『枕中記』は改編の跡が顕著に判る例であり(『広記』巻82異人2「呂翁」と『文苑英華』所収本との比較。なお「枕中記」参照)、また、沈亜之中国語版が『異夢録』において話の信憑性の担保として時の宰相王播中国語版の弟で文名の籍甚であった炎(えん)の名を出しているのに対し、陳の時代にはその著名性が失せていたせいか本集では名を「王生」と改竄している(『広記』巻282夢7「邢鳳」)。
  14. ^ 『異聞「録」』も『異聞「記」』も『異聞「集」』の誤りであるが、特に『異聞「録」』という集名に就いては李玫の『纂異記』が『類説』で「異聞録」(巻19)、『紺珠集』で「異聞実録」(巻1)と改題されているので『広記』の混乱はそうした改題が影響したものと思われる(王前掲書)。なお、李玫の名は『宋史』に攻、『紺珠集』に玖、『南部新書』に玟と作っている(程前掲書)。
  15. ^ 巻28(別本では巻26)所収。
  16. ^ 巻10所収。
  17. ^ 前掲王書、程書。
  1. ^ 王書は藝文印書舘刊、中華民國62年、程書は中華書局刊、1981年。
  2. ^ 「蔵」字を脱す。
  3. ^ 作中朱泚の乱中国語版が語られていて時代が合わない。
  4. ^ 李劍國『唐五代志怪傳奇叙録』(第2刷)「鏡龍圖記」(上冊第1巻)、南開大學出版社、1998年。
  5. ^ 名の度は「たく」と読んだ(読ませた)という説もある(成瀬哲生『古鏡記・補江総白猿伝・遊仙窟』(中国古典小説選4)「古鏡記」解説、明治書院、2005年)。
  6. ^ 『文苑英華』巻737所引。
  7. ^ 成瀬前掲書。
  8. ^ 巻6小説類下。
  9. ^ 巻66芸文略第4「貨宝」。
  10. ^ 小南一郎『唐代伝奇小説論』第1章「古鏡記」、岩波書店、2014年。
  11. ^ 李前掲書上冊第2巻「集異記」及び下冊第3巻「異聞集」。
  12. ^ 『文苑英華』巻378、『唐文粋中国語版』巻94等所引。
  13. ^ 近藤春雄『唐代小説の研究』第3章第5節甲b4「柳氏伝」、笠間書院、昭和53年。
  14. ^ 今村与志雄『唐宋伝奇集(上)』「鳴珂曲の美女」訳注、岩波文庫、1988年。
  15. ^ 近藤前掲書第3章第1節4「作者題名異同表」。
  16. ^ 黒田真美子『枕中記・李娃伝・鶯鶯伝他』(中国古典小説選5)「霍小玉伝」余説、明治書院、2006年。
  17. ^ 『詩人玉屑』巻12苦吟句踏襲句条、「徘徊花上月、空度可憐宵」の両句。
  18. ^ 黒田前掲書「鶯鶯伝」余説。
  19. ^ 黒田前掲書「南柯太守伝」余説。
  20. ^ 今村前掲書「南柯の一夢」訳注。
  21. ^ 但し、現伝する鄭権の官歴に鄭州刺史は見えない。
  22. ^ 黒田前掲書「謝小娥伝」余説。
  23. ^ なお、「尼妙寂」の原収録元は李復言『続玄怪録』であった可能性もある(「玄怪録」及び「続玄怪録」参照)。
  24. ^ 但し、王はこの注記を後人に依るものと疑っている。
  25. ^ 溝部良恵『広異記・玄怪録・宣室志他』(中国古典小説選6)「玄怪録(抄)解説」、明治書院、2008年。賈説は張洎中国語版『賈氏譚録』や晁前掲書巻13に見える。
  26. ^ 前野直彬『唐代伝奇集』2「作品改題」、平凡社東洋文庫、昭和38年。
  27. ^ 王は後人の追記と見ている。
  28. ^ 黒田前掲書「任氏伝」余説。
  29. ^ 全唐文』巻512所載。
  30. ^ 志第50芸文4。
  31. ^ 談刻本と明鈔本に就いては「太平広記#刊本」参照。
  32. ^ 李前掲書下冊第3巻「陸氏集異記」及び「異聞集」。
  33. ^ 魯迅『唐宋伝奇集』所収「稗辺小綴」。『魯迅全集』12、学習研究社、昭和60年に拠る。
  34. ^ 志第156芸文2。
  35. ^ 近藤前掲『唐代小説の研究』第3章第5節丁。
  36. ^ 黒田前掲書「東城老父伝」解説。
  37. ^ 李前掲書下冊第3巻「虬鬚客傳」及び「傳奇」「異聞集」。
  38. ^ 作中の王魁はその事績から宋代の王魁たる事明らかであり、従って何らかの時空現象が起きない限りは唐末編纂の本集に載せられる筈はない。
  39. ^ 前掲程書、李書「異聞集」。


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