特別な数の超越性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 02:41 UTC 版)
「リンデマンの定理」の記事における「特別な数の超越性」の解説
この定理より、いくつかの特別な数が超越数であることが直ちに従う。まず、系において α = 1 とすると、ネイピア数 e は超越数であることが分かる。 円周率 π が超越数であることは、次のようにして従う。π が代数的数であると仮定すると、iπ も代数的数であるから、系より eiπ は超越数である。しかし、オイラーの公式より eiπ = −1 であるから、これは矛盾である。したがって、π は超越数である。 0 でも 1 でもない代数的数 β に対して、log β は超越数である。これを見るために、log β が代数的数と仮定すると β = elog β は系により超越数でなければならず、不合理。 0 でない代数的数 θ に対して、sin θ は超越数である。もしそうでなければ、γ := 2i sin θ は代数的数であり、オイラーの公式より 2i sin θ = eiθ − e−iθ であるから、γ − eiθ + e−iθ = 0 となる。これは、定理において n = 3, α1 = 0, α2 = iθ, α3 = −iθ として得られる結果に矛盾する。よって、sin θ は超越数である。同様にして、 cos θ = e i θ + e − i θ 2 {\displaystyle \cos \theta ={\frac {e^{i\theta }+e^{-i\theta }}{2}}} も超越数であることが分かる。
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