牧野隆信とは? わかりやすく解説

牧野隆信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/28 19:16 UTC 版)

牧野 隆信(まきの りゅうしん、1917年 - 2006年1月19日[1])は、石川県教育者郷土史家北前船研究の第一人者。元日本海事史学会理事、元全国北前船研究会会長。

1937年、石川県加賀市生まれ[2]石川県師範学校本科第1部卒業。小学校訓導を経て、1943年、文部省師範学校中学校高等女学校教員検定試験合格(日東史)[2]石川県立大聖寺高等女学校教諭となる[2]。戦後は新制の石川県立大聖寺高等学校教諭を経て、1977年、大聖寺高等学校校長を最後に退職。退職後は1989年3月まで石川県加賀市立図書館嘱託として勤務。

教員としての勤務の傍ら、1955年、地域の教員、医師、神社宮司らと共に「江沼地方史研究会」を創設。江沼地域(現在の加賀市と小松市の一部)の郷土史研究に取り組んだ。特に昭和30年代から、当時はあまり注目されていなかった北前船研究に着手[3]。その研究は大きな反響を呼び、日本海文化論に先駆けるものとなったのみならず、彼の著書により『北前船』という呼称が一般化することとなった[4]。1984年、加賀市文化功労者に、2004年には加賀市名誉市民となる[3]。1988年、勲四等瑞宝章を受章[1]

2006年1月19日、脳梗塞のため死去[1]

著作

単著、共著、編著

その他、『聖藩算用場定書』(1957年)の校訂、『加賀江沼人物事典』(1989年)、『加賀江沼の字名』(2004年)、『加賀市史』等の編集委員。

論文、雑誌

海事史研究

えぬのくに

  • 「北前船をさぐる(1) 瀬越・塩屋・浜坂・橋立・安宅の調査から」『えぬのくに』第3巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(2) 忠谷家文書及び美川町調査」『えぬのくに』第4巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(3) 三国方面の絵馬・橋立久保家の差引帳」『えぬのくに』第5巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(4) 北前船の船乗たち」『えぬのくに』第6巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(5) 切出考」『えぬのくに』第7巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(6) 絵馬をたずねて」『えぬのくに』第8巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(7) 安宅港松村家文書」『えぬのくに』第9巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(8) 美川町湊町をたずねて」『えぬのくに』第10巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船をさぐる(9) 能登外浦をたずねて」『えぬのくに』第11巻、江沼地方史研究会。 
  • 「北前船の航路」『えぬのくに』第22巻、江沼地方史研究会、1977年5月。 
  • 「北前船の航跡(10)」『えぬのくに』第24巻、江沼地方史研究会、1979年4月。 
  • 「北前船の航跡(20) 新後長三郎と長四郎」『えぬのくに』第34巻、江沼地方史研究会、1989年4月。 
  • 「北陸親議会の成立と足跡」『えぬのくに』第36巻、江沼地方史研究会、1991年4月。 
  • 「美川湊と北前船」『えぬのくに』第41巻、江沼地方史研究会、1996年4月。 

北陸史学

その他

  • 北前船研究 そのあゆみと問題点」『北海道地方史研究』第47巻、北海道地方史研究会、1963年3月、2 - 29頁。 
  • 「北前船研究序説」『石川県社会科教育研究会紀要』第1巻。 
  • 「近世末期における北前船主の仲間規約」『石川県社会科教育研究会紀要』第3巻、1966年。 

関連文献

脚注

  1. ^ a b c 『現代物故者事典2006~2008』(日外アソシエーツ、2009年)p.578
  2. ^ a b c 日本の船絵馬 執筆者紹介https://dl.ndl.go.jp/pid/12169059/1/305 
  3. ^ a b 名誉市民及び各界功労者 加賀市名誉市民 牧野隆信さん”. 石川県加賀市 (2004年11月). 2006年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月2日閲覧。
  4. ^ 北前船から北洋漁業へ 〜 富山『バイ船文化研究会』が見た大日本海時代 〜」『水の文化』09号、ミツカン水の文化センター、2001年10月、9 - 32頁。 

関連項目

外部リンク





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