毫変盞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/03 17:57 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動毫変盞(ごうへんさん)は、中国宋代の建窯において焼成された天目茶碗の中で、「その価は甚だ高く且つ得ることが難しい」[1]とされた幻の器である。
概要
毫変盞の現存品は無く、当時の文献[2]にその存在が僅かに記述されるのみである。宋代建窯の滅亡以来800年の間、毫変盞についてはまったく触れられることはなかったが、1990年に中国の建窯遺跡調査団によって発掘調査された研究を要約した中国古陶磁研究会名誉会長の葉文程と福建省博物館の林忠幹によってその存在が証明され「建窯瓷」に発表された。
発掘の際には数点の毫変盞らしき器が出土したが、これらはすべて二度の施釉によって毫変盞を模倣したものであることが確認されている。天目釉は調合される原料が単純で、いわゆる伝統的な石灰釉に属する分相析晶釉である。建窯の天目茶碗は禾目天目・油滴天目・曜変天目・毫変盞に分類されるが、これは釉薬の調合割合の変化や二度掛け、上絵付け等の人為的な文様によって出現するものではなく、すべて同一の成分の釉薬を一度だけ施釉されたものが、高度な焼成技術によってそれぞれに変化をするものである。
脚注
参考文献
- 葉文程/林忠幹「建窯瓷」富田哲雄訳:二玄社 2004年
- 榊田雪斎「油滴天目・曜変天目、毫変盞の謎に迫る」月刊「陶遊」:新企画出版局2005年61号
関連項目
- 柴窯
- 汝窯
- 建窯
外部リンク
- 二玄社
- 東洋陶磁学会(Japan Society of Oriental Ceramic Studies) - ウェイバックマシン(2002年11月24日アーカイブ分)
- 新企画出版局
毫変盞 (ごうへんさん)
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「かいらぎ」の記事における「毫変盞 (ごうへんさん)」の解説
天目茶碗には曜変天目茶碗 油滴天目茶碗 等があるが 毫変盞(ごうへんさん) と言われる物がある。古文書に書かれているが実物は見つかっていない。 単一の釉薬で二度かけはしていない。焼成技術により独特の仕上がりになっている。そのてんでは「かいらぎ」と同様に焼成技術の特殊技法があった様である。 「かいらぎ」 「毫変盞(ごうへんさん)」と同様特殊技法の焼き物
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