構造論的転回
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 00:26 UTC 版)
ラカンは、ローマン・ヤコブソンやエミール・バンヴェニストらを通じて、フェルディナン・ド・ソシュールの構造主義言語学の影響を受けている。 ソシュールによれば、記号は、シニフィアンとシニフィエの対からなる。ソシュールはそのことを S E S A {\displaystyle {\frac {SE}{SA}}} と表記した。ラカンはそれを上下逆にし、SA→S、SE→sと記号を変えて S s {\displaystyle {\frac {S}{s}}} と書く。上下を逆にしたのは、ラカンの「シニフィアンの優位」という考え方に関係がある。ソシュールにとっても、シニフィアンの差異こそがシニフィエの差異を生みだすのだから、その考え方においてはソシュールとラカンは共通している。しかし上が下を規定する、というニュアンスからラカンはこの分数表記を上下逆にしている。 さらに、ラカンは、ヤコブソンの失語症研究より、失語症に見られる2つのタイプが、それぞれ隠喩と換喩という修辞表現の対立と並行関係がある、との示唆を受ける。
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