楕円暗号とは? わかりやすく解説

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楕円曲線暗号

(楕円暗号 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 23:54 UTC 版)

楕円曲線暗号(だえんきょくせんあんごう、Elliptic Curve CryptographyECC)とは、楕円曲線上の離散対数問題 (EC-DLP) の困難性を安全性の根拠とする暗号1985年頃にビクター・S・ミラー英語版ニール・コブリッツ英語版が各々発明した。

具体的な暗号方式の名前ではなく、楕円曲線を利用した暗号方式の総称である。DSAを楕円曲線上で定義した楕円曲線DSA (ECDSA)、ディフィー・ヘルマン鍵共有DH鍵共有)を楕円化した楕円曲線ディフィー・ヘルマン鍵共有 (ECDH) などがある。公開鍵暗号が多い。

EC-DLPを解く準指数関数時間アルゴリズムがまだ見つかっていないため、それが見つかるまでの間は、RSA暗号などと比べて、同レベルの安全性をより短い鍵で実現でき、処理速度も速いことをメリットとして、ポストRSA暗号として注目されている。ただしP=NPが成立した場合、EC-DLPを多項式時間で解くアルゴリズムが存在するということになり、ECCの安全性は崩壊する(公開鍵暗号自体が崩壊)。また、送信者が暗号化時に適当な乱数(公開鍵とは違うモノ)を使うので鍵が同じでも平文暗号文の関係が1対1でない点にも注意(ElGamal暗号でも同様)。

一部の楕円曲線には、DLPを解く多項式時間アルゴリズムが見つかっているため、注意が必要である。

歴史

暗号理論に楕円曲線を利用しようというアイディアは、1985年にニール・コブリッツ[1] と ビクター・S・ミラー[2] によって独立に提案された。楕円曲線暗号は、2004~2005年ごろから広く使用されるようになっている。

理論

楕円曲線の例: secp256k1(後述)で規定されている
離散的楕円曲線の例: 有限体 F61 上の楕円曲線 y2 = x3x




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