文脈自由言語の反復補題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 02:12 UTC 版)
文脈自由言語の反復補題(ぶんみゃくじゆうげんごのはんぷくほだい、英: Pumping lemma for context-free languages)は、全ての文脈自由言語が持つ属性を与える反復補題である。Bar-Hillelの補題や、uvwxy定理とも呼ばれる。その主たる用法は、ある言語が文脈自由言語でないことを証明することである。
文脈自由言語の反復補題は、任意の文脈自由言語でない言語が文脈自由でないことを証明するのに使えるわけではない。場合によってはより汎用化されたオグデンの補題を使う必要がある。
形式的定義
任意の文脈自由言語 L に対して,(反復長 (pumping length) と呼ばれる)ある正の整数 p > 0 が存在し、L 内の |w| ≥ p となる任意の文字列 w を以下のように表すことができる:
- w = uvxyz
このとき、文字列 u、v、x、y、z について |vxy| ≤ p、|vy| ≥ 1、そして以下が成り立つ。
- 全ての0以上の整数 i ≥ 0 について uv ixy iz が L に含まれる。
なお、文字列 a と b があるとき ab はその連結した文字列を表し、|a| は a の長さを表す。また、ai は a を i 回反復した文字列を表す。
解説
文脈自由言語の反復補題(以下、単に反復補題と略記)は、全ての文脈自由言語が持つと保証されている属性を表している。その属性は、当該言語に含まれる長さ p 以上の全ての文字列について成り立つ。ここで、p は定数であり、反復長と呼ばれ、個々の文脈自由言語によって異なる。s が長さ p 以上の文字列とする。反復補題によれば、s は5つの部分文字列
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