摩羅醯羅州の人食い王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 14:34 UTC 版)
真言僧の覚禅(1143~?)が撰述した『覚禅抄』には以下の話が述べられている。 摩羅醯羅(まらけいら)州という国には王がいた。大根と牛肉ばかり食していたため、やがて国中に牛がいなくなった。すると王は次に死人の肉を食べ始め、それも少なくなると生身の人間を食べるようになった。国の人々は王を討伐しようとしたところ、王は「大鬼王毘那夜迦」に変じて、眷属共々飛び去り、姿を消した。その後、王の呪いで国中に疫病が流行ったので、人々は十一面観音に助けを求めた。十一面観音は毘那夜迦女の姿を取って王の前に現れ、悪を捨てるよう説得した。心変わりした王は大いに歓喜して、疫病を終息させた。こうして国に平和が戻り、人々が安穏に暮らすようになったという。
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