恐怖の四季とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 文学作品 > 小説 > 小説の短編集 > 恐怖の四季の意味・解説 

恐怖の四季

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/20 19:10 UTC 版)

恐怖の四季』(きょうふのしき、Different Seasons)は、1982年より出版されたスティーヴン・キングによるアメリカ合衆国の中編集。四季それぞれの季節をテーマにした4つの中編小説からなるオムニバスである。原題は本来「それぞれの季節」「さまざまな季節」を意味し、邦題とは反してホラー小説ではない。

概要

本書に収められている作品は、それ以前のキングの作品と比べてホラー要素が薄いものばかりである。本書の原題はホラーではないことを意識して名付けられており、本来ならば「それぞれの季節」などと翻訳されるべきである。デビュー以後、キングは常に「通俗的なホラー小説家」としてのレッテルを貼られてきた。このことは商業的にも重要な意味を持っており、本書の出版に関しても各方面で葛藤があったことを匂わせている。日本語版のタイトルが『恐怖の四季』であるのも、日本国内におけるキングのイメージを重視した結果であると推察されるが、確証はない。

収録作品

備考

  • 収録作品のうち、『マンハッタンの奇譚クラブ』を除く全てが映画化されている。特に『スタンド・バイ・ミー』(映画『スタンド・バイ・ミー』の原作)と、『刑務所のリタ・ヘイワース』(映画『ショーシャンクの空に』の原作)は日本でも非常に高い評価を得ている。
  • 収録作品の執筆時期は分散しているが、どれも長編を書き上げた後の余力で認められたものである。特に『ゴールデンボーイ』は『シャイニング』の脱稿後2週間で完成させている。また、収録作品は全て異なる家で執筆されたというエピソードを持つ。
  • キングは後に『骸骨乗組員』の後書きにおいて『ゴールデンボーイ』は自らの持病である「文学的象皮病」の典型的な症例であったと語っている。

作品間の繋がり

作品 作品 繋がり
『ゴールデンボーイ』 『刑務所のリタ・ヘイワース』 [1]
『マンハッタンの奇譚クラブ』 握手しない男 [2]
『スタンド・バイ・ミー』 ニードフル・シングス [3]
『スタンド・バイ・ミー』 『刑務所のリタ・ヘイワース』 [4]

日本語版出版情報

脚注

  1. ^ 『刑務所のリタ・ヘイワース』の主人公であるアンディ・デュフレーンは、銀行家時代に『ゴールデンボーイ』に登場するクルト・ドゥサンダーの投資コンサルティングを務めていた。
  2. ^ 『マンハッタンの奇譚クラブ』に登場する奇妙なクラブは、短編小説『握手しない男』(骸骨乗組員収録)にも登場する。
  3. ^ 『スタンド・バイ・ミー』の舞台はキング読者にはおなじみのメイン州キャッスルロックである。舞台を同じくする『ニードフル・シングス』では、老いたエース・メリルが当時のゴードン・ラチャンスらを回想する描写がある。また、作中においてゴードンが披露する物語は若き日のキングの習作である。
  4. ^ 『スタンド・バイ・ミー』でクリスを刺殺した犯人はショーシャンク刑務所から出所してきたばかりだった。




固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」から恐怖の四季を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から恐怖の四季を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から恐怖の四季を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「恐怖の四季」の関連用語

恐怖の四季のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



恐怖の四季のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの恐怖の四季 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS