弱いゴールドバッハ予想
(弱いゴールドバッハの予想 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 22:49 UTC 版)
弱いゴールドバッハ予想(よわいゴールドバッハよそう、英語: Goldbach's weak conjecture)とはゴールドバッハの予想に類似した素数の和に関する数論の予想。次のように表現される。
- 5 より大きい奇数は 3 個の素数の和で表せる。
3 個の素数は同じ数であってもよい。
ゴールドバッハ予想が証明できれば弱いゴールドバッハ予想も証明できる(後述)。しかし弱いゴールドバッハ予想が証明できても(それだけでは)ゴールドバッハ予想は証明できない。ゴールドバッハ予想からこの予想は導かれるが、その逆はないので「弱い」という語を冠している。
大きな奇数ほどその数よりも小さな素数がより多く存在し、それらの組み合わせもより多くなるので、この予想は多くの数学者によって正しいと考えられている。
2013年、ハラルド・ヘルフゴットは弱いゴールドバッハ予想を証明したとする論文を発表し、現在広く受け入れられている[1][2]。
概要
小さな奇数を順に 3 個の素数の和で表すと以下のようになる。
- 7 = 2 + 2 + 3
- 9 = 2 + 2 + 5 = 3 + 3 + 3
- 11 = 2 + 2 + 7 = 3 + 3 + 5
- 13 = 3 + 3 + 7 = 3 + 5 + 5
- 15 = 2 + 2 + 11 = 3 + 5 + 7 = 5 + 5 + 5
- 17 = 2 + 2 + 13 = 3 + 3 + 11 = 5 + 5 + 7
- 19 = 3 + 3 + 13 = 3 + 5 + 11 = 5 + 7 + 7
- 21 = 2 + 2 + 17 = 3 + 5 + 13 = 5 + 5 + 11 = 7 + 7 + 7
- 23 = 2 + 2 + 19 = 3 + 3 + 17 = 5 + 5 + 13 = 5 + 7 + 11
3 個の素数の和は 6 以上なので、5 以下の奇数を 3 個の素数の和で表すことはできない。また 3 個の奇素数の和は 9 以上なので、7 は 3 個の奇素数の和で表すことはできない。
「7 より大きい奇数は 3 個の奇素数の和で表せる」という予想もある。これはゴールドバッハ予想の「4 より大きい偶数は 2 個の奇素数の和で表せる」という命題と類似している。
3 個の素数のうち偶数の素数である 2 は 2 個か 0 個であり、残りの 1 個もしくは 3 個全てが奇素数である。
7 以上の奇数が n を 自然数、p を奇素数として
- 弱いゴールドバッハ予想のページへのリンク