小言念仏とは? わかりやすく解説

小言念仏

作者三木卓

収載図書小噺集
出版社文芸春秋
刊行年月1988.8


小言念仏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 03:15 UTC 版)

小言念仏』(こごとねんぶつ)は古典落語の演目のひとつ。上方落語における『世帯念仏』(しょたいねんぶつ)もこの項で説明する。

念仏読経しながら周囲に(念仏とは)関係のない小言や命令などを口にする人物を描く[1]上方落語から江戸落語に移入されたいわゆる「上方種」のひとつで、ストーリーがなく、形態模写の要素が濃い[要出典]

土橋亭里う馬の『百面相仕方話』上巻(天保13年・1842年)の「姑婆」に、老婆を主人公とした類似の小咄が見える[[1]

上方では3代目桂米朝の、東京では3代目三遊亭金馬10代目柳家小三治の得意ネタとして知られる[要出典]武藤禎夫は3代目金馬を「名演」と評している[1]

あらすじ

演者は人々の様々な読経の様子を演じる。その際、扇子で見台(ない場合は床)を一定のリズムで叩き、木魚を模する。

演目の主題である小言をこぼしながら「南無阿弥陀仏」と読経する老人は、以下のように演じられる。

  • 仏壇のホコリやしおれた花が気になり、妻に指摘する。
  • 「鉄瓶(の湯)が煮立っている」「飯が焦げているようだ」「今朝のおかずは何だ」と頻繁に妻に尋ねる。
  • 表をどじょう屋が通るので家族に呼ばせ、どじょうを買わせる。妻に「鍋に酒を入れて蒸し焼きにしろ。暴れないようにしっかり蓋をしておけ」と調理方法を細かく指示する。どじょうによく火が通ったことを聞き、念仏をしながらほくそ笑む。あるいはおつけの実にするために煮えた鍋に入れて死ぬと「死んじまいやがった、ざまァみやがれ」と唱える[1](仏前で殺生の禁を堂々と冒す、という風刺)。
  • 近くに這い寄った赤ん坊を「バァ! 」とあやす[1]

バリエーション

10代目小三治は、声が届かずに通り過ぎようとするどじょう屋に向かって、主人公が「南無阿弥陀!」と怒鳴り、仏壇に「どじょう屋……」ととなえるという描写を用いる[要出典]

桂文珍は、時代がかった演出を排し、設定を現代に置き換え『新・世帯念仏』と題して演じている(仏壇はフランス製に限る。「仏」と書くくらいだから…等)[要出典]

脚注

  1. ^ a b c d e 武藤禎夫 2007, pp. 161–162.

参考文献




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「小言念仏」の関連用語

小言念仏のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



小言念仏のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの小言念仏 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS