宝島 (アニメ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/10/29 04:40 UTC 版)
『宝島』(たからじま)は東京ムービー新社制作のテレビアニメ。1978年10月8日~1979年4月1日に日本テレビで日曜日18:30-19:00(JST)にて放送された。
目次 |
概要
原作「宝島」を大胆に解釈し直し、原作では敵役であるジョン・シルバーを「男の中の男」と位置づけ真の主人公とした。原作では端役に過ぎなかったグレーもこの作品ではシルバーに劣らぬ「男」として描かれており、シルバーの好敵手として活躍するのも特徴。また、ジュブナイル作品としての性格も強化している。かもめのパピー役であった神谷明はまったく未経験の大阪弁をレッドルース役の北村弘一から直接、教えてもらい、声優としての幅を広げた作品であると後に回想している。羽田健太郎は本作品で作曲家デビューとなった。
なお、「宝島」をもって3年半続いた日テレ系日曜18時台の児童向け番組枠は廃止され、以後は情報番組枠となった(『独占!!スポーツ情報』)。
1987年には、東京ムービー製作で劇場版が公開された。1992年には、ほぼ同一スタッフの下で、一等航海士となったジムを語り部として、最終回から更にその後のシルバーの行方を描いたオリジナルの続編・“宝島メモリアル「夕凪と呼ばれた男」”が、数分の短編ながらOVAにて制作されている。
登場人物
- ジム・ホーキンズ:清水マリ→三ツ木清隆(成人後)、野沢雅子(映画版)
- 母親とともに宿屋兼居酒屋「ベンボー亭」を切り盛りしている13歳の少年。船乗りだった父親は1か月前に病気で亡くなった。夢は父のような立派な船乗りになること。
- ジョン・シルバー:若山弦蔵、羽佐間道夫(映画版)
- ブリストルの町で食堂を営んでいる一本足のコックで、経験豊かな船乗りでもある。腕と度胸も抜群で、仲間の船員たちから敬愛されている。
- リブシー:家弓家正
- 医者にしてジムの住む村ブラックヒルの治安判事。皆からの人望が厚い。
- トレローニ:滝口順平
- ブラックヒルで一番のお金持ち。ジムの父親の幼なじみで、ジムを自分の子供のように可愛がっている。
- スモレット:江角英明
- 宝島を目指すヒスパニオラ号の船長。
- ビリー・ボーンズ:黒沢良
- 伝説の大海賊フリント船長の下で副船長を務めていた男で、フリントが隠した莫大な財宝のありかを示す宝島の地図を持っている。彼とジムとの出会いから物語は始まる。「一本足」と呼ばれる男を恐れている。
- グレー:野島昭生
- ヒスパニオラ号の乗組員の一人。口数が少ない知恵者で、ナイフの名手。弱い者に味方する性分。原作と最も設定の異なるキャラで、物語の後半からシルバーのライバルとして活躍する。原作では、結婚して幸福な家庭を持ったことになっているが、本作品では故郷アイルランドの独立戦争に身を投じ、壮絶な最期を遂げた。
- ベン・ガン:肝付兼太
- フリント船長の元手下で、死んだと噂されていたが、宝島で生き延びていた。
- オウムのフリント:北村弘一
- シルバーのペットのオウム。名前がかつての大海賊「フリント」と同じ。
- レッドルース:北村弘一
- カモメのパピー:神谷明
- ヒスパニオラ号の乗組員の一人で、お調子者で打算的な性格。故郷にいる幼い9人の弟を心配している。
- ジョイス:石丸博也
- ハンター:水島裕
- 黒犬:玄田哲章
- 海賊の一味。ビリーの持つ宝の地図を奪いにベンボー亭にやって来た。
- ピュー:大竹宏
- 通称「暗闇のピュー」。海賊の一味で、盲目だが剣の達人。
- ハンズ:飯塚昭三
- アンダーソン:加藤治
- ジョージ:千田光男
- モーガン:野本礼三
- アブラハム:北村弘一
- リリー:吉田理保子
- ジムの幼馴染の女の子。
- リリーの祖父:増岡弘
- カレン・ホーキンズ:前田敏子
- ジムの母親で未亡人。ジムと二人で宿屋兼居酒屋「ベンボー亭」を切り盛りしている。
- ベンボー
- ジムの飼っている豹の子供。
「夕凪と呼ばれた男」キャスト
スタッフ
主題歌・挿入歌
- OP「宝島」/ ED「小さな船乗り」
- 挿入歌「航海日誌」
- 「夕凪と呼ばれた男」ではEDとして使用された。作詞は麻生香太郎で作・編曲、歌は上記主題歌と同じ。
放映リスト
話数 | 放映日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ |
---|---|---|---|---|
第1話 | 1978年10月8日 | 恐怖のビリーがやって来た! | 山崎晴哉 | さきまくら |
第2話 | 1978年10月15日 | 黒犬って・・・何だ!? | ||
第3話 | 1978年10月22日 | 振りおろされた松葉杖 | 篠崎好 | |
第4話 | 1978年10月29日 | 宝島の地図が手に入る! | ||
第5話 | 1978年11月5日 | 行って来るよ、母さん! | 山崎晴哉 | 紺屋行男 |
第6話 | 1978年11月12日 | 敵か味方かジョン・シルバー | さきまくら | |
第7話 | 1978年11月19日 | 肉焼きおやじはニクい奴 | 篠崎好 | |
第8話 | 1978年11月26日 | 幽霊船がオレを呼ぶ! | ||
第9話 | 1978年12月3日 | 奴隷みなとの人さらい | ||
第10話 | 1978年12月10日 | リンゴ樽の中で聞いた! | ||
第11話 | 1978年12月17日 | 宝島で何かが始まる!? | 山崎晴哉 | 紺屋行男 |
第12話 | 1978年12月24日 | 出た!ジャングルの怪物 | 今切洗 | |
第13話 | 1978年12月31日 | じいさまのちっちゃな鈴 | 篠崎好 | さきまくら |
第14話 | 1979年1月7日 | これも人生!敵・味方 | ||
第15話 | 1979年1月14日 | シルバー式降伏のすすめ | 山崎晴哉 | |
第16話 | 1979年1月21日 | おいら少年流れ島・・・!? | ||
第17話 | 1979年1月28日 | 甘くみるなョ子供じゃないぜ | 篠崎好 | 紺屋行男 |
第18話 | 1979年2月4日 | 死んだはずだよ、ハンズさん | さきまくら | |
第19話 | 1979年2月11日 | これで最期か?不死身のシルバー | 山崎晴哉 | |
第20話 | 1979年2月18日 | こんどは磔!ロング・ジョン | 今切洗 | |
第21話 | 1979年2月25日 | 生きてりゃこそのお宝よ! | 篠崎好 | さきまくら |
第22話 | 1979年3月4日 | 海賊死んでガイコツ残る | ||
第23話 | 1979年3月11日 | 翔んでる男!カモメのパピー | 山崎晴哉 | |
第24話 | 1979年3月18日 | 亡者の箱は満月に輝くか!? | ||
第25話 | 1979年3月25日 | 潮風よ、縁があったらまた逢おう | 篠崎好 | |
第26話 | 1979年4月1日 | フリントはもう飛べない |
劇場版
テレビシリーズの総集編的内容。1987年5月9日に公開された。88分。
スタッフ
- 原作:ロバート・ルイス・スティーブンソン
- 脚本:山崎晴哉、篠崎好
- 構成・監督:竹内哲雄
- 協力監督:出崎統
- 作画監督:杉野昭夫
- 製作・著作:東京ムービー新社
日本テレビ系 日曜18:30枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
宝島
|
「宝島 (アニメ)」の例文・使い方・用例・文例
- 宝島 (アニメ)のページへのリンク